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美肌に「とんこつラーメン」食べて効果はあるのか スープ内の「コラーゲンや脂質」はどうなる?

東洋経済オンライン / 2024年7月2日 17時30分

そのため、ラーメンを食べることが肌内部のコラーゲンを直接的に増やすわけではありません。しかし、少なくともコラーゲンになる材料は手に入れているのではないか、と思いますが、それでも即効性のあるものではありません。

ところが、ラーメンを食べた直後は、男性の私でさえ気が付くほどの即効性の美肌効果があります。ラーメンを食べ終わった後、顔の肌がなんだかつややかになり、保湿されたかのようにしっとりとなり、血色よく弾力を持った肌になっています。コラーゲンを吸収しているわけではないのに、一体なぜでしょうか。

箸を置いてしばらく考えましたが、おそらくはラーメンを食べる際に、ラーメンの熱いスープに顔を近づけていることが第1の原因です。

スープから立つ湯気には、水分の他に、油分も混ざっています。これを「ヒューム(蒸気)」と呼びます。「油煙」「オイルミスト」とも呼びますが、湯気には脂分が含まれ、厨房ではそれがフードや壁に付着するため、様々な対策器具があります。

このオイルヒュームは肌表面に均等に付着しますので、そこに均質的なツヤとテカリが生まれます。水分だけでは蒸発しやすいためツヤは保持しにくく、油分だけではテカリのムラになりやすいですが、オイルヒュームは微細なナノ粒子として肌に均質に付着するため、理想的なリキッドファンデーションになる条件がそろっています。

2つ目の理由は…

さらに第2の理由として、熱い湯気によって肌が温められ、サウナ効果によって新陳代謝が促進され、血液の循環も活発になり、肌に栄養と水分が送り込まれ、適度な膨張を生みます。

冒頭の風船効果(肌の内圧)によるキメの発現と、ラーメンの湯気によるリキッドファンデーションの合わせ技による理想的なエステ効果を食事時間中に生み出しています。とんこつに含まれる理想的な脂分が生み出す効果です。

こうした効果は、キメ細やかな肌には肌内部への十分な栄養成分の補給による内圧が必要であり、水分と油分がバランスよく調合されたスキンケア、そして活発な血液の循環が欠かせないことを示しています。

一般的なキメを整える化粧品には、古い角質を落とす成分(たんぱく質を解かす酸や、研磨剤など)と、ターンオーバーを促す栄養成分(ビタミン類やアミノ酸)が含まれています。古い角質を落として、栄養成分を送り、新しい肌を作ることでキメを整えようとするものです。しかし今回触れた肌の内圧が不足していると、一時的に肌に血流を送ったところで、しばらくするとまた肌がしぼみ、皮溝や毛穴が目立つようになり、元のくすんだ肌に戻ってしまいます。肌だけを太らせることはとても難しいですが、少なくとも過度なダイエットは避け、肌の内圧を維持することがキメには重要です。

尾池 哲郎:化学系ベンチャー・FILTOM研究所長

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