ジム・ロジャーズ「資産防衛に金と銀を保有せよ」 必ずやって来る「世界恐慌」に今から備える
東洋経済オンライン / 2024年7月3日 9時30分
コモディティなどのオルタナティブ投資は、期待リターンはそれほど高くありません。しかし、ポートフォリオ(資産構成)に多様性をもたらし、資産全体のリスクを下げる場合があります。富裕層の資産運用でも一定の割合を入れるなどで注目されています。また、株式が強い時代、商品が強い時代などの一定のサイクルがあり、ロジャーズ氏は商品の時代がいずれ来ると言い続けています。
資産防衛をするための富裕層のポートフォリオとは?
渡邉美樹氏は日本の資産を円、株式、不動産、国債の4つで見た場合、先行きについて次のように想定しています。
●円 → 暴落する
●日本株 → 輸出産業やインバウンド産業の一部は復活するが、
全体としては暴落する
●不動産 → 暴落するが1等地の価格は戻る
●国債 → 暴落する
一方でアメリカについては次のように考えています。
●ドル → 上がる
●米国株 → 一度は下がるがいずれ元に戻る
●不動産 → 一度は下がるがいずれ元に戻る
●米国債 → 不況が来て一時的には下がるが、比較的早く元に戻る
渡邉氏は、次の危機に備えて「米国債3分の1、日本株3分の1、日本の不動産3分の1」のポートフォリオにします。このオペレーションによって資産を守ることはできるというのが渡邉氏の考え方です。これについて、ジムさんはどんな具体的なアドバイスをしたでしょうか。
ロジャーズ氏は言います。「私も渡邉会長の考えに似ています。私のポートフォリオの大半はアメリカのドルです。ドルのキャッシュや現金に近いもの、たとえばMMFなど短期の金融資産を保有しています。私はいずれ大不況が来ると予測していますが、そのときには、世界中が安全資産として考える米ドルが、さらに買われるでしょう」。
このように、渡邉氏やロジャーズ氏などの富裕層の多くは運用のベース通貨をドルにしている方が多いです。その理由はドルで購入できる金融商品が豊富、基本的に金利が高く安定している、安全資産の地位を保っているなどの理由からです。日本円だけに資産が偏りすぎている場合、リスクとリターンが異なるアセットに分散を意識して、少しずつポートフォリオを見直してみてもよいでしょう。
最も怖いのはインフレ、日本の不動産には投資しない
ロジャーズ氏は続けます。「私が今いちばん心配しているのはインフレです。インフレが続くと、金や銀が上がっていきます。一方で金利が高くなるので、不動産や株式の価値は下がります。全面的な資産安になってしまうことを懸念しています。
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