ホンダ、日本初の自動運転タクシーに漂う暗雲 米パートナーの事故処分で国内合弁設立に遅れ
東洋経済オンライン / 2024年7月5日 9時0分
自動運転サービスはまだまだ発展途上だ。
今年2月にはアリゾナ州でグーグル傘下ウェイモの自動運転車が自転車との衝突事故を起こし、ウェイモの事故については同州当局が調査している。日本国内でも2023年10月、福井県永平寺町で自動運転「レベル4」の実証車両が、道路脇に止められていた自転車に接触する事故があり、開発を進める産業技術総合研究所などが約半年間運行を停止した。
自動運転技術は確実に進化しているものの、複雑な現実の交通環境に対応しきれていない。規制も含めて課題は多い中、実用化に向けた模索が続く。
2035年には市場規模70兆円の予測も
一方で、過疎地域での代替交通手段、タクシー業界の人手不足対応など、自動運転タクシーの社会的意義は大きい。移動時間の有効活用といった新たなビジネスが生まれる可能性もある。
PwCコンサルティングは、現状世界でもほぼゼロに近い完全自動運転タクシーが生み出す収益が、2035年には約70兆円まで拡大すると予測する。アメリカのEV(電気自動車)専業メーカー・テスラも8月8日に自動運転タクシーを公開するとしている。日本勢では、日産自動車も2027年度以降に、本社がある横浜市などを中心に事業化を目指している。
もともと2026年に東京都心で自動運転タクシーを走らせるというホンダの計画は、高い目標を掲げることで事業化を推進する側面もある。多少の遅れは驚くことではない。ホンダとサービスで手を組むタクシー会社の幹部は「改めて仕切り直しということでは」と話す。
とはいえ、自動運転サービスはアメリカ勢だけでなく、中国の新興メーカーなども開発でしのぎを削る。計画に遅れを取れば、他社の後塵を拝する可能性が高まる。ホンダは開発の加速と安全性の担保の間で難しい局面に立たされている。
横山 隼也 :東洋経済 記者
村松 魁理:東洋経済 記者
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「自動運転実用化が進む5つの領域を分析」と題して、Go2Marketing(同)代表社員 永井 達氏によるセミナーを2024年7月26日(金)に開催!!
PR TIMES / 2024年6月28日 12時45分
-
米ウェイモ、SFでも自動運転配車サービス開始 誰でも利用可能
ロイター / 2024年6月26日 10時56分
-
ドライバー不在「AIカーレース」の息を呑むバトル 完全自動運転に向けたAI技術と人材開発に向け
東洋経済オンライン / 2024年6月21日 8時10分
-
米運輸当局、ウェイモの無人タクシー調査で追加情報を要請
ロイター / 2024年6月13日 13時58分
-
米ズークス、オースティンとマイアミでも自動運転のテスト走行を近く開始(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月11日 0時50分
ランキング
-
1【ダイソー】人気爆発で品薄だけど…「スイカバー」が作れるシロップはコスパ最高! 作って食べてみた
オールアバウト / 2024年7月4日 21時15分
-
2なぜ免許証とマイナカード「24年度末」までに一体化? 紛失したら運転できない? 国民にメリットあるのか
くるまのニュース / 2024年7月4日 9時10分
-
3スーパーでまとめ買いしたお肉→「そのまま冷凍庫」はNG!?理由に「知らんかった」ネット驚愕 ニチレイフーズオススメの方法は
まいどなニュース / 2024年7月3日 12時8分
-
4寝るときにエアコンが欠かせません。電気代が安いのは「冷房」と「ドライ」どちらでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月4日 2時0分
-
5「手取りはほぼゼロに」定年後、再雇用を選んだ64歳の苦い思い出。現在は田舎に移住して「大満足」
日刊SPA! / 2024年7月4日 8時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください