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広がる「都市型ワンマン列車」に死角はないのか 長い編成の安全確認や運賃収受、どう対応?

東洋経済オンライン / 2024年7月6日 7時0分

東北本線の黒磯―新白河間でワンマン運転を行うJR東日本のE531系電車(写真:tarousite/PIXTA)

ローカル線を中心に普及してきた鉄道の「ワンマン運転」は、今では都市部を含む全国各地に広がった。

【写真を見る】宇都宮線を走るE131系は6両編成になることもある

ワンマン運転では、運転士がドアの開閉などといった車掌の仕事も引き受けることになる。また、ローカル線の場合は無人駅に対応するため、路線バスのように運転席近くに運賃箱を設置し、乗客は乗車時に受け取った整理券で運賃を確かめて降車時に支払う形が多い。車両も1両か、せいぜい2~3両編成といったところだ。

都市以外にも広がる「都市型ワンマン」

しかし、今やワンマン運転はローカル線だけのものではなくなった。例えば東京メトロ丸ノ内線や南北線、副都心線、つくばエクスプレスなどはワンマン運転だ。

これらの路線は「都市型ワンマン」と呼ばれ、運賃の収受は駅で行う方式だ。前述の各線のようにホームドアを完備するなど安全設備を整えたうえで、長編成の列車を運転士1人で走らせることのできる体制となっている。

最近では、東急電鉄東横線が2023年からワンマン化を実施した。同線はホームドアを完備しているため導入しやすいといえる。JR東日本は、2025年以降に山手線や京浜東北線での導入を検討しており、ホームドアや安全確認の設備を充実させる中でこの形態の運行を増やすことになっている。

一方、最近は郊外や地方路線でも都市型ワンマン運転を導入する例が目立つ。

例えばJR東北本線の黒磯―新白河間は、2020年3月から5両編成のE531系電車でワンマン運転を開始。2024年3月からは同型車両で常磐線の土浦―水戸間、いわき―原ノ町間でもワンマン運転している。

2022年3月のダイヤ改正では、日光線や宇都宮線(東北本線)宇都宮―黒磯間に新型のE131系を投入してワンマン化。同時に相模線、八高線でも実施した。宇都宮線は、ラッシュ時には6両編成になることもある。2023年3月からは青梅線の青梅―奥多摩間もワンマン化した。いずれも4両編成以上の都市型ワンマンだ。

都市型ワンマン運転に不可欠なものの1つは、ある程度長編成の列車でも運転士1人で乗降などの安全確認ができるための設備である。1~2両程度の列車なら、ホームに設置したミラーで安全確認を行うこともできるが、5両や6両といった長さになると困難だ。一方で、郊外や地方の路線では監視用のカメラなどをすべての駅に取り付けるのは難しい。

側面のカメラが威力発揮

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