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路線価全国1位の銀座「まだ上がる」業界強気な訳 根強いテナント需要、国内の富裕層も取り込み

東洋経済オンライン / 2024年7月6日 8時30分

テナントの出店意欲を支えているのが、インバウンド需要であることは間違いない。さらに今回の取材で耳にしたのが、「銀座では国内客の流入も目立つ」という指摘だ。そうした国内客を取りこぼさないために、高級ブランド店の中には、国内客に絞った店舗を展開するケースも出てきている。インバウンドだけでなく、国内の富裕層需要も取り込んでいるのが、銀座の強さといえそうだ。

もともと銀座は狭い土地に細長く建つペンシルビルが多く、「大型の開発用地は出てこず、大手デベロッパーが参入しにくい」(業界関係者)。今でも銀座には、ウィンドーショッピングをしながら街を散策できる街並みが残っている。それが他のエリアにない特徴になっている。

個人の地権者が多く、「売却物件があまり出てこない」(別の関係者)ことが、地価の高止まりにつながっている側面もある。また、中小物件が中心なため、大型物件に投資する外資系ファンドの参入が比較的少ないとも指摘されている。

そうした中で、銀座での新たな投資機会を提供する動きもある。投資用不動産の販売を手掛けるボルテックス。2017年に竣工・開業した「GINZA SIX」(銀座6丁目)の10階オフィスフロアを、今年4月から不動産小口化商品として販売している。

1口100万円で、投資家は10口から購入できる。投資家の8~9割は個人で、中小企業の経営者などが多いという。2年かけて全口を販売する計画だが、すでに20~30%を販売した。「計画を大きく超えるペース。他の商品と比べ利回りが高いわけではないが、個人で銀座の不動産の実物に投資できる機会はほとんどない。銀座のオーナーになれるというステータスを求めるお客様も多い」(担当者)。

老朽化に伴う建て替え・改修が続く

銀座ではビルの老朽化に伴う建て替え・改修も多い。中央通りでは、60年にわたり銀座のシンボルとして親しまれてきた鳩居堂横の「三愛ドリームセンター」が建て替えを発表、現在解体中となっている。

ほかにも中央通り5丁目では清和綜合建物が、6丁目ではみずほ信託銀行が事業主となり、建設工事が進んでいる。中央通りから裏路地に入ったガス灯通りや並木通りでも、複数の建設計画が進行中だ。1つ1つの案件が大きいわけではないが、それらの集積が街の魅力度アップにつながりそうだ。

先を見越せば、銀座から徒歩圏内の築地で2030年代にも大規模な再開発が予定されている。回遊エリアが広がり、銀座の集客力がさらに向上するという期待もある。

「銀座ならどのエリアでも買いたくてたまらない」(複数の業界関係者)。不動産関係者は、当面銀座に熱い視線を送ることになりそうだ。

筒井 華子:東洋経済 記者

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