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デジタル庁「本人認証アプリ」が示す着実な進化 スマホ認証アプリで何がどう便利になるのか

東洋経済オンライン / 2024年7月8日 13時0分

このデザインシステムと、内包された思想は公表されており、誰もが自由に利用することができる。洗練されたデザインで公共に資する、これこそ官公庁の仕事の手本のようなウェブサイトなのである。

デジタル庁 デザインシステムβ版

現在、デジタル庁の仕事が急速に洗練され、効率的に進んでいるのには理由がある。

デジタル庁は、官公庁にしては珍しく、一般から大量に人材を登用している。旧来の官公庁にデジタルのエキスパート人材がいないから当然だ。一般企業やフリーランスで活躍しているエキスパートエンジニアには、国のデジタル化自体が進んでいないことに課題を感じていた人が多い。

そんな中、優秀なエンジニアたちが、損得抜きで国の仕組みを改善するために続々とデジタル庁に参画している。実際に、我々が普段取材でお会いするような民間企業に勤めていた有名エンジニアが何人もデジタル庁で働いていらっしゃるのを筆者も実態として見ている。

マイナンバーカードで「本人であることを確認する」

マイナンバーカードについても、そういう人たちが仕組み作りに動いている。マイナンバーというのは日本国内のすべての人に割り振られている12ケタの番号だ。これは出生届を出して、住民登録を完了した時点で、すでに全国民に割り振られている。

マイナンバーカードは、この番号の持ち主であるということを証明するカードだ。

持っているだけだと、本人かどうか分からないので、顔写真、もしくは暗証番号で二要素目の認証を行う。これをオンライン、オフラインで行うことができるのが、マイナンバーカードの特徴だ。

たとえば、カードをタッチして係員が顔写真を確認する。カードをタッチして暗証番号を入力する。こうした方法で「本人である」という認証を行うことができる。

従来は、住民票や、運転免許証で認証してきたが、住民票であれば持っているのが本人かどうか確認する方法はないし、運転免許証の場合は写真の部分の偽造などのリスクがあった。しかし、マイナンバーカードであれば、チップが内蔵されており認証することができるし、顔写真の確認も可能だ。

「マイナンバーカードに個人情報が記載されている」と誤解されがちだが、マイナンバーカードは「本人を認証するためのカード」だ。内部のチップにも、たいした情報は入っていない。記載されているのは、マイナンバーに加えて、氏名、住所、生年月日、性別の4情報、そして顔写真のデジタルデータだけだ(厳密には空き領域に多少の情報は記載できそうだが)。

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