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最高値を更新した日本株の上昇は今後も続く ただし短期では強弱感対立による激しい攻防も

東洋経済オンライン / 2024年7月8日 10時30分

ただ、一方では、5日現在の日経平均の移動平均線乖離率を計算すると、25日線が+4.44%、75日線が+4.85%。またこの2つに200日線を足した総合乖離率が+22.47%とかなり高くなってきた。

特に25日移動平均乖離率は+3%で黄信号、+5%でやや上昇しすぎのリスク、+7%は絶好の売り場などと言われる。その見方からすれば、すでに黄信号は通過している。

また、この移動平均乖離率と兄弟のような関係にあるテクニカル分析手法が標準偏差で表すボリンジャーバンドだが、この指標でみても売りシグナルとされる+2σ(シグマ)を超え、強い売りシグナルである+3σ(シグマ)に接近している。

ただし、ボリンジャーバンドの指標の欠点は、売りシグナルを出しながら、それがときとして一定時間持続することだ。この状態をバンドウォークという。この状態になると、ボリンジャーバンドを駆使して出した10回の利益を1回で失うような、逆張り投資家の典型的な失敗例となる。大相場のときに出やすい現象だ。

その点、移動平均乖離率はもっとわかりやすい。もし、株価が下がらなくても、株価の落ち着きとともに、どんどん0%乖離に近づき、再び買い戻しのタイミングが来ることもある。

今週の日経平均は強弱感が対立?

現在の相場は、今まで本欄で何度も書いてきたように、このデフレ脱却相場がインフレ相場に膨張していくまで、場合によってはバブルが発生するまで続く。中途半端な形で天井を打つとは考えられない。従って日経平均4万円は通過点であり、筆者は2025年前半(場合によっては2024年末)に5万円は付けると思っている。

ただ今週については、上げの原動力となった日本株への再投資パワー」の反動とも言えるETF(上場投資信託)の分配金捻出の売りや、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用する資産のリバランス売りも出るだろう。

これらはすでに予想されていることであり、相場にかなり織り込まれているため、こうした理由による急落の可能性は少ないだろう。それでも日経平均は6月末からの5連騰で1500円超の上げを演じたこともあり、強弱感が対立、激しい攻防戦も予想される。

それこそがサマーラリーであり、これまでどおり日経平均やTOPIXの高値更新に力を発揮している日立製作所・三菱重工業・メガバンクといった重厚長大のバリュー株や、半導体中心のハイテク株の押し目を交互に買うのが王道だろう。

だが、そろそろ4~6月期決算発表に備え、最新の『会社四季報』の独自予想をチェックし、中小型の個別株を吟味したうえで資金を分散してもいいのではないかと思っている。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

平野 憲一:ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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