「犬吸い」「猫吸い」は愛情表現だと考える人の盲点 専門家が「おすすめできない」と話す理由とは
東洋経済オンライン / 2024年7月10日 13時0分
ペットから病気をうつされるリスク
現在、国内でペットとして飼われている犬猫の飼育頭数は犬684万頭、猫907万頭の計1591万頭(一般社団法人ペットフード協会調べ)で、15歳未満の子どもの数1401万人(総務省調べ)より多い。
【チェックポイント】専門家が指摘、ペットを飼うときのルール8つ
家族でもあるペットに対する飼い主の愛情表現の1つとして、最近は犬や猫の体に鼻先をうずめて大きく息を吸う「犬吸い」「猫吸い」といった言葉も見聞きする。
飼い主にとってはリラックスしたり、幸福感を感じたりする効果があるそうだが、場合によっては、ペットから病気をうつされるリスクがあることをご存じだろうか。「動物由来感染症(ズーノーシス)」という病気だ。
環境省の「人と動物の共通感染症に関するガイドライン」によると、動物由来感染症は世界で800種あり、このうち日本で問題になっているのは数十種類という。
動物由来感染症に詳しい北海道大学の苅和宏明教授(大学院獣医学研究院衛生学分野公衆衛生学教室)は、「犬や猫の体に鼻先をうずめて息を吸う行為は、すなわちペットの分泌物を飼い主の鼻の粘膜に入れるということ。病原体が飼い主の粘膜に入る危険性があるので、おすすめできません」と警告する。
苅和さんが特に気をつけたほうがいいと挙げるのは、「皮膚糸状菌症」「パスツレラ症」「猫ひっかき病」「回虫症」「トキソプラズマ症」の5つの病気だ。
5つの感染症の原因ときっかけ
■皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌という真菌(カビ)が原因の感染症だ。感染した犬や猫、ウサギ、ハムスターなどに触れるだけでうつる可能性があり、特に梅雨や夏の季節に多いという。
感染すると患部にかゆみをともなった、丸い輪のような発疹が出るほか、頭に感染するとフケが出たり、髪が円形に抜けたりする。人が発症したときは皮膚科で抗真菌薬の塗り薬や飲み薬による治療を行う。
■パスツレラ症
パスツレラ症は、犬や猫などの口の中に主に生息するパスツレラ菌が原因。犬や猫にかまれたり、引っかかれたりすることで感染する。
「犬吸いや猫吸いで感染する病気ではありませんが、これらの行為は犬や猫にしてみると、ストレスになっていることもありうる。スキンシップを嫌がった犬や猫にかまれたり、引っかかれたりすることで感染することが心配される」と苅和さんは言う。エサを口移しで食べさせたり、顔をなめさせたりすることで、感染することも考えられるという。
この記事に関連するニュース
-
「長生きする猫の特徴」が最新研究で解明…マタタビには“意外なメリット”が明らかに
女子SPA! / 2024年7月15日 8時45分
-
かまれて発症、ほぼ死亡の怖い「狂犬病」…国内では70年近く確認されず
読売新聞 / 2024年7月13日 5時0分
-
アウトドアシーズン到来「山歩き…その服装で大丈夫ですか?」【夏のマダニに気を付けろ!】発熱やけいれんなどを引き起こす『ダ二媒介性脳炎』発症のリスクも…森に潜むマダニを追跡
北海道放送 / 2024年7月11日 19時49分
-
親戚が「日本で狂犬病は根絶されたから」と、飼い犬に「予防接種」を受けさせていないことが発覚! 本当に問題ないのですか? バレたら“罰金”と聞いたことがあるのですが…
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月30日 4時40分
-
アビガン、ダニ感染症に応用承認 世界初のSFTS治療薬に
共同通信 / 2024年6月24日 16時41分
ランキング
-
1実は「ポイ捨て」しまくっていたキャベツの栄養 科学で解明「芯はおいしくない」と思うなかれ
東洋経済オンライン / 2024年7月15日 15時0分
-
2「子どもは無料」で簡単につられる大人たちの盲点 企業側の仕掛けには「わかったうえで」乗りたい
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 9時0分
-
3“新しい働き方”として定着すると思いきや…コロナ禍を経た今になって、強硬な「リモートワーク廃止論」を示す企業が現れた理由
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月16日 7時15分
-
4「面白くない」「嫌い」教師が落ち込んだ生徒の言葉 1位は男女共通 教えた後にキツい一言
よろず~ニュース / 2024年7月16日 7時30分
-
5カップみそに入ってる「白い紙」は捨てる?捨てない? 気になるギモンをメーカーが解説!…正解は?
まいどなニュース / 2024年7月16日 14時35分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)