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東武、深夜の越谷駅に「スペーシアX停車」の狙い 台風想定「避難訓練」で特急・通勤車両6本が集合

東洋経済オンライン / 2024年7月11日 7時0分

深夜の東武スカイツリーライン越谷駅に並んだ500系「リバティ」とN100系「スペーシア X」(記者撮影)

東武鉄道の東武スカイツリーラインは、北千住―北越谷間が同じ方向に2本の列車を走らせられる複々線となっていて、朝夕の通勤通学ラッシュの大量輸送を担っている。その距離は18.9kmと、私鉄でいちばん距離が長い。大半は高架区間だ。

【25枚の写真と図でわかる】深夜の越谷駅に「スペーシア X」や「リバティ」、通勤電車がずらり集結。台風による車両基地浸水に備えた車両避難訓練の一部始終

越谷駅に特急停車?

複々線区間の北端近くにある駅は新越谷、越谷、北越谷と続く。新越谷はJR武蔵野線の南越谷駅との乗り換え客で一日中にぎわっている。北越谷は東武鉄道が北千住―久喜間で開業した1899年からある駅で、当初はこちらが「越ヶ谷駅」を名乗っていた。両駅に挟まれた越谷駅は日光街道の宿場町に近く、1920年に地元の誘致活動によって誕生した。

越谷駅は高架上の島式ホーム2面6線。線路は外側から内側へ通過線、急行停車線、緩行線と並んでいる。通勤電車は急行・区間急行・準急・区間準急・普通とほぼすべての種別が停まるが、特急と地下鉄日比谷線直通の座席指定制列車「THライナー」の停車駅ではない。その越谷駅に6月30日日曜日の深夜、特急列車が“停車”した。

【写真】深夜の越谷駅に「スペーシア X」や「リバティ」、通勤電車がずらり集結。台風による車両基地浸水に備えた車両避難訓練の一部始終(25枚)

特急停車は東武鉄道が実施した「車両避難訓練」で実現した。東武スカイツリーラインと日光線、東武アーバンパークラインといった本線系統には、春日部や南栗橋など大雨で浸水する恐れのある車両基地が存在する。そのため同社では、災害が想定される場合に車両を高架に移動させる避難計画を策定している。

これらの車両基地に所属する列車は、どの駅のどこに避難させるかがあらかじめ決めてある。特急車両や新しい車両を先に逃がせるようにするが、特急ばかりを避難させても再開後の運用に支障が出るため、バランスを考慮した優先順位がある。地下鉄直通用も優先される。

春日部駅の1つ隣、北春日部駅周辺には車両基地の南栗橋車両管区春日部支所と、運転士や車掌が所属する春日部乗務管区が置かれている。訓練は同乗務管区を中心に実施した。

訓練は大型台風接近で車両基地や施設に浸水の恐れが発生することを想定。水や食料のほか、アルコール検査器、出発点呼簿など、非常持ち出し備品を列車に積み込む手順も確認した。実際に乗務区の建物が使えなくなった場合は、列車内に「仮設本区」を設け、点呼やアルコール検査を実施することもありえる。

スペーシア Xが初参加

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