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ソニー、パラマウント買収ならず業界が安堵の訳 買収合戦に競り勝った41歳大学中退男の正体とは?

東洋経済オンライン / 2024年7月13日 12時0分

さらに、1980年代後半にコロンビア・ピクチャーズを買収した時に大きな金額を払いすぎたと思っているソニーが、この買収にやや慎重になったとの報道もあった。

41歳でメジャー映画スタジオのトップに

今回の買収合戦に勝ったスカイダンスを率いるデビッド・エリソンに対しては、彼の父でシリコンバレーの大企業オラクルの創設者ラリー・エリソンも、大きな投資を約束してきた。総資産1793億ドルと言われるラリー・エリソンがかかわることで、資金源が安定するだけでなく、テクノロジーにより力が入れられるようになることも、内部の関係者やそれ以外の業界人から、ポジティブなことと受け止められた。

そもそもデビッド・エリソンはまだ41歳だ。そんな若い人がメジャースタジオのトップに立つというだけでも、業界の空気が多少なりとも変わるのではないか。とはいえ、メジャースタジオと製作契約を結んでいたプロダクション会社のひとつがそのメジャースタジオを買収することも、歴史あるスタジオのトップが突然にして41歳の男性になることも、稀な話である。そもそも、彼はどんな人物なのか。

エリソンは、1983年、ラリー・エリソンと3番目の妻バーバラとの間に誕生。合計4人の妻を持った父ラリーにとって、唯一の息子だ。妹ミーガンは、『ゼロ・ダーク・サーティ』などシリアスで意義のある映画を得意とするアンナプルナ・ピクチャーズの創設者である。

両親はエリソンが3歳の時に離婚し、兄妹は映画好きな母の影響を受けて育つ。しかし、兄妹は父ともずっと近しい関係を保ち続けた。父が「Forbes」のビリオネアリストに初めて入ったのは、エリソンが10歳だった時。父は子供たちにオラクルの株を分け与え、エリソンはそれだけで一生困らないお金を得ている。

高校卒業後、エリソンはロサンゼルスの海沿いの街マリブのペパーダイン大学に入学し、後に南カリフォルニア大学に編入。しかし、ジェームズ・フランコ主演作『フライボーイズ』(2006)に俳優として出演する機会を得ると、大学を中退した。エリソンはこの映画の製作予算の3割を自分の懐から出資したが、映画は赤字に終わっている。

スティーブ・ジョブズとも親交があった

だが、それにくじけず、エリソンは、2006年、自らのプロダクション会社スカイダンス・メディアをサンタモニカに設立。その頃もまだ俳優としての成功を目指していたが、まもなくプロデュースに専念すると決意した。

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