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ディズニー、3300億円で「クルーズ船」就航の大胆 オリエンタルランドが「脱・舞浜依存」の一手

東洋経済オンライン / 2024年7月16日 7時30分

また3300億円という投資総額は、6月にディズニーシーに開業した新エリア「ファンタジースプリングス」の開業費用と同程度となる。

立て続けに大型投資を行うことになるが、オリエンタルランドは2023年度、約2000億円のキャッシュを創出している。自己資本比率も70%で財務基盤は盤石だ。

乗客数は既存国内市場を凌駕する規模

年間乗客数は40万人を目指す。国土交通省のデータによれば、船内1泊以上の外航クルーズと国内クルーズを利用した日本人乗客数は、2019年で35.7万人いた。

この数字には「MSCベリッシマ」や「ダイヤモンド・プリンセス」など外国籍船の乗客も含まれている。日本発着の日本籍船の乗客に限れば11万人しかいない。オリエンタルランドは、その4倍近い乗客を見込んでいるわけだ。

今回の発表にクルーズ業界からは歓迎の声が聞かれる。ある業界幹部は「従来のクルーズ船の主要顧客は年配層だった。オリエンタルランドが新しい顧客層を開拓してくれれば、市場が活性化する」と期待を寄せる。

クルーズ事業参入は、オリエンタルランドがこれまで抱えていた課題を打破する事業になる可能性がある。同社の柱であるディズニーリゾートは連日、混雑状態が続いている。直近では1人あたりの単価を引き上げる戦略が成功し業績は好調だが、既存エリアのみでの成長には限界があった。

「海上のテーマパーク」であるクルーズであれば、ディズニーリゾートの混雑状況は関係ない。売り上げのほとんどをディズニーリゾートが占める「舞浜依存」の脱却に向けた一手といえる。

ディズニーリゾートはリピーター中心

会見で吉田謙次社長は、「今後、国外に出るクルーズなどバリエーションを増やすことを考える余地はある」と、さらなる展開も示唆した。

クルーズ事業成功のカギとなるのはリピーターの育成だ。

東京ディズニーリゾートは来園者の9割がリピーターと言われる。ディズニーリゾートであれば来園1回あたりの単価は1万〜2万円程度。しかしクルーズは10万〜30万円と高額になる。なお飛鳥クルーズは2泊だと1人あたりの単価は15万円程度となっている。

高額な費用を上回る体験価値を船上で提供できるか。オリエンタルランドの腕の見せどころとなる。

星出 遼平:東洋経済 記者

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