1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

釧路が都心からの滞在体験で断トツ人気の理由 夏の最高気温は東京より10度、札幌より5度低い

東洋経済オンライン / 2024年7月16日 10時0分

希望条件をすべて満たす釧路

実際、「ちょっと暮らし」の利用者アンケートを見ると、利用自治体を選んだ理由の上位(複数回答)は、①雄大な自然を楽しめる62%、②夏の冷涼な気候46%、③新鮮な食材を堪能できる30%だった。釧路はすべて当てはまっている。

さらに利用目的は①シーズンステイ47%、②2地域居住地探し32%、③移住候補地探し29%となっている。夏場の長期滞在を主眼に置いた利用形態であることがうかがえる。

釧路市の長期滞在者の割合は60~80代にかけてのシニア層が約1800人と全体の9割近くを占めている。特徴は、大手旅行社が主催する9泊10日のツアーで訪れ、ホテルに滞在した人が742人(533組、延べ滞在日数7262日=2023年度)いることだ。このツアーで釧路の夏を体験し、翌年からリピーターとなってホテルではなく長期滞在施設を利用するといったケースが増えているという。

釧路市の対応も積極的だ。同市では長期滞在をきっかけに2拠点生活や移住を促進するために、地元不動産、ホテル、交通事業者などが連携して「くしろ長期滞在ビジネス研究会」を設置し、さまざまなサポートを行っている。

ホームページサイトを開くと「ーくしろでの滞在・移住を応援する情報サイトー 北海道涼しいくしろで避暑生活」とのタイトルが目に飛び込んでくる。その中で「長期滞在施設」「くしろってこんなマチ」「滞在中のお役立ち情報」「移住情報」などのコーナーがある。

気になる滞在用の物件は?

まず、長期滞在用の施設にはどんな物件があるのか、サイト内で検証してみた。

■タウンハウス

2階建て3LDK 100平方メートル 賃料26万円 テレビ50インチ 冷蔵庫 洗濯機 電子レンジ ベッド(シングル2)

■マンション

2DK 42平方メートル 賃料21万円 テーブル 椅子 ソファ テレビ 冷蔵庫 洗濯機 ベッド ペット可 

■ゲストハウス

1階 2LDK 94平方メートル 賃料24万円 バリアフリー 家具 寝具 家電製品 台所用品一式完備

スーツケース一つで行ってもすぐに暮らせる環境になっている。賃料が20万円以上と、地方にしては高く感じるが、光熱費込みだったり、家具や家電製品付きであることを考えれば、ホテルに1カ月宿泊するよりは安い。長期滞在者向けの地域学習講座やさまざまなイベントも開催され、市民感覚で暮らすことが可能だ。

北海道では、何をするにしても車が不可欠だが、そのあたりの事情はどうなっているのか。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください