財政負担を抑えた改革「高松モデル」に注目せよ 積極的な「交通改革」により注目、急上昇中!
東洋経済オンライン / 2024年7月18日 13時30分
キーワードは「協働」。市、市民、公共交通事業者、そして一般的な事業者それぞれが、「私事として未来の生活を具体的に考えることを目指す」とした。
その中で、高松市は市の予算をしっかり使う施策を「積極的に行う」と記している。当時、公共交通の大規模な変革について、自治体が公言するケースはまだめずらしかったといえよう。
見方を変えれば、高松市の公共交通は、考え方次第で「大きく改善する余地があった」ともいえるのではないだろうか。
鉄道とバスの関係を再構築
もともと、高松市街から放射線状に比較的距離の長いバス路線が走っていたが、その多くが鉄道と並行した路線だった。
そこで、鉄道を軸として、交通結節点となる新駅を作るなどして、路線バスから鉄道に乗り換えてもらうような仕組みを考案。結果的には、バスを減便することになった。ただし、これは一気に進めたのではなく、社会情勢に応じて段階的に実施している。
2019年には路線バスの運転手不足に対応、2021年には交通結節拠点とした琴平線の新駅である伏石(ふせいし)駅を開設。そして本年度は、2024年問題などに対応して路線バスの大幅減便を実施している。
ことでんから高松市に対して、鉄道とバスの乗降データを開示してもらっていることで、施策の実効性が上がっているという。とはいえ、公共交通の利用者の中には、新しい仕組みに対する抵抗感を持つ人もいた。それを高松市は、次のような施策で解決している。
ひとつは、交通結節拠点での乗り継ぎの「利便性を上げる」ことだ。東京など大都市に住む人であれば、公共交通の乗り継ぎにあまり抵抗感はないだろう。
それが高松市のような地方都市になると、目的地まで「1本で行けることが当たり前」という考えを持つ人が少なくない。乗り継ぎは面倒であり、余計な時間がかかるという抵抗感があるのだ。
その解決方法として、路線バスと電車のダイヤを調整するなど、乗り継ぎ時の待ち時間縮小に努めた。あわせて、バスロケーションシステムを活用したデジタルサイネージを設置したり、自転車駐輪場を設置したりもしている。
また、中心部で起こる朝晩の渋滞を避けるため、都市部から少し離れた仏生山駅では、パークアンドライド用に116台の駐車場を設置。利用者が、年々増えている状況だ。
もうひとつは、乗り継ぐことで利用料が増加することを防ぐ施策で、ICカード「IruCa(イルカ)」を活用して、路線バスと電車の乗り継ぎ割引をそれまでの20円から100円に拡大している。また、路線バスとコミュニティバスの乗り換えでも、100円割引を公費で賄う形とした。
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