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利用履歴で判明!伸び悩むマッチングアプリ利用 テレビCMで露出増だがビッグデータ分析すると…

東洋経済オンライン / 2024年7月21日 9時30分

反対に利用者が増加しているのが、結婚相談所アプリの利用だ。婚活アプリから結婚相談所へのユーザーのシフトが想像されるデータである。結婚相談所がデジタル化を取り入れアプリの利用が進んだことも要因として考えられるが、婚活サービス大手のIBJのデータでも、結婚相談所ネットワークの会員が若年層を中心に増加していることから、やはり結婚相談所の利用者自体も増加していると考えられる。

男女でマッチングアプリの利用に差

年齢1歳ごと・男女別のマッチングアプリ利用率のデータからは、男女それぞれのアプリの捉え方の違いが見えてきた。

まず男性のデータに着目しよう、男性は「恋活アプリ」や「婚活アプリ」といったアプリ上でのメッセージのやり取りが中心のサービスの利用率でどの年齢でも女性を上回っている。一方で「相談所アプリ」の利用は女性より遅い傾向がある。結婚相談所のアプリの利用率のピークは男性が35歳で、女性より5歳も遅い。

反対に女性は結婚相談所アプリの利用が早いことが特徴だ。25歳の0.06%から30歳の0.34%へと利用率が急上昇しており、この間に結婚相談所の利用を始める女性が多いことがわかる。ピークの年齢は30歳であり、「パーティーアプリ」や「婚活アプリ」の33歳よりも早い。男性がパーティーや婚活アプリより後に結婚相談所を利用する対照的だ。男性と女性では結婚相談所への捉え方が大きく異なるようだ。

男女の意識のミスマッチが浮き彫りに

このような各サービスを利用するタイミングの男女差からは、各サービスで男女が出会う際の意識の違いも想像できる。婚活アプリを例に考えよう。男女いずれも利用率のピークは33歳で同じだが、男性の場合は結婚相談所より“前”、女性の場合は結婚相談所より“後”という違いがある。

男性の利用者は恋活アプリの延長の手軽なサービスとして婚活アプリを利用しているのに対し、女性は結婚相談所とも併用しながら真剣度高く利用しているということが考えられる。婚活アプリの利用者の減少も、こういった男女の意識のミスマッチが一因かもしれない。

少子化と人口減少は先進国に共通する重要な社会問題である一方で、個人の価値観に正面から介入するのが難しいのもまた先進国に共通の制約だ。生活者が自然な形でマッチングサービスを受け入れ、それが社会問題の解決につながっていくことが望ましい。

今後マッチングアプリの社会的活用を進めるにあたっては、こういった男女の意識差を理解し、ミスマッチが起こりづらいサービスを設計することが重要になるだろう。

※ di-PiNKは株式会社ドコモ・インサイトマーケティングの登録商標

【記事内の集計対象アプリ】

恋活アプリ:Pairs、with、タップル、アンジュ、scenario、Omiai、CoupLink、Ravit(男性のみ有料のサービス)
婚活アプリ:ゼクシィ縁結び、ブライダルネット、youbride、match(男女ともに有料のサービス)
パーティーアプリ:エクシオ、PARTY☆PARTY、オミカレ
相談所アプリ:IBJ、ZWEI、BIU NetClud

山津 貴之:インテージ メディアアナリスト

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