日本企業が「20年で世界から没落した」2大理由 日本企業の「現場」で"何が"起こっていたのか
東洋経済オンライン / 2024年7月22日 9時40分
驚くのは、アメリカ企業の圧倒的存在感である。1989年にはわずか5社だったが、2004年には13社が、そして2023年には16社がランクインしている。
2023年の上位にはアップル(1位)、アルファベット(4位)、アマゾン・ドット・コム(5位)、テスラ(7位)、エヌビディア(8位)と躍進目覚ましいフレッシュな企業が名を連ねるが、じつは本当の驚きはそこではない。
ランクインした16社のうち、なんと6社は「2004年にもランクイン」しているのだ。
その名を挙げると、
マイクロソフト(3位)
エクソンモービル(10位)
JPモルガン・チェース(15位)
ジョンソン・エンド・ジョンソン(17位)
ウォルマート(18位)
プロクター・アンド・ギャンブル(20位)
といった老舗のエクセレントカンパニーだ。
企業の入れ替わりが激しいなかで、こうした老舗企業群はしたたかに、そして、たくましくビジネスモデルを変えながら、エクセレントでありつづけている。
なぜ日本企業はこの20年、ずるずると後退を続けたのか。
さまざまな理由が考えられるが、致命的な理由が2つある。
【理由1】「マイナーチェンジ」ばかりで「延命」することだけに必死だった
ひとつめの理由は、経営陣が新しいことに本気でチャレンジしたり、覚悟を持って生まれ変わったりしようとせず、「延命」することだけに汲々としてきたからにほかならない。
「うちの会社だって、新規事業へのチャレンジや構造改革に取り組んでいる」という声が聞こえてきそうだが、私が知る限り、本気で会社を「変身」させようとしてきた日本企業はほんのわずかにすぎない。
マイクロソフトも大胆な「フルモデルチェンジ」に挑戦
2004年の時価総額ランキング3位だったマイクロソフトが、2023年においても3位にランクインしているのは「偶然」ではない。
この20年、マイクロソフトはけっして順風満帆だったわけではない。時代のモバイル化、クラウド化に後れをとり、一時期は危機的な状況に陥った。
しかし、2014年にCEOに就任したサティア・ナデラ氏が、過去の成功体験にあぐらをかいていた組織を一変させた。
自社のOSにこだわり、OSと一緒にソフトを売るという従来の戦略を大転換し、ライバル会社のOSでも自社製品を使えるように方針を大転換した。また、サブスクリプションをいち早く導入した。
マイクロソフトは、大胆な「フルモデルチェンジ」に果敢に挑戦したことによって、エクセレントカンパニーでありつづけている。
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