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トランプ再選で日本は「5つの悪夢」に襲われる 前回よりも思い通りにしやすくなる可能性も

東洋経済オンライン / 2024年7月22日 14時30分

中国にとどまらず、トランプの動きは保護主義とアメリカのナショナリズムというイデオロギーの上に成り立っている。共和党大会でのバンスの演説を聞いてほしい。

「私たちは、無制限のグローバル貿易のためにサプライチェーンを犠牲にすることをやめ、より多くの製品に『Made in the U.S.A.』という美しいラベルを貼るつもりだ。私たちは再び工場を建設し、アメリカ人労働者の手で作られた、アメリカ人家庭のための本物の製品を作るために人々を働かせるつもりだ。そして、中国共産党がアメリカ市民を犠牲にして中産階級を築くのを阻止するのだ」

トランプはまた、貿易制裁を、他の分野で自らが望むことをさせるために、他国を圧迫する手段として使っている。サミュエルズもスミスも、トランプがこの手段を使って日本に在日アメリカ軍の経費の大部分を負担させるだけでなく、アメリカ軍を撤退させるとまで脅すだろうと予測している。

トランプの顧問は、反中国を重視するためには日本が「カギ」になると言っているが、「日本を見捨てると脅して、もっと圧力をかける動きを止めることはできないだろう」とMITのサミュエルズは言う。

第1次トランプ政権時の貿易摩擦は何とかなったが、今回は「安倍首相のようなトランプをなだめる手腕を持つ日本の政治家はいない」(サミュエルズ)。

経済ナショナリズムは海外からの直接投資にも及んでいる。日本はこれまで、投資や工場をアメリカに移すことで何とか対処してきた。しかし、そのゲームも終わりを告げ、USスチールを買収する日本製鉄の入札の扱いが試金石となるだろう。

「トランプが買収を阻止する、という公約から手を引くとは思えない」とCFRのスミスは言う。トランプはこの件に関してディールメーカーになるだろうという期待にもかかわらず、イデオロギー的でキリスト教ナショナリストのトランプは、現在公約(買収阻止)に固執している。「日本に関しては、ディールメーカーではないトランプを相手にすることになるだろう」と彼女は予測する。

在韓米軍が撤退する可能性も

悪夢2:韓国からのアメリカ軍撤退と金正恩との取引

トランプ前政権の高官によれば、トランプは2020年に再選していれば、韓国からアメリカを撤退させる用意があったという。今回再選すれば、トランプが再びその方向に動いても不思議ではない。日本の指導者たちは、1970年代にまでさかのぼるこのような計画を、日本自身の安全保障を脅かすものとして長い間見てきた。

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