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50代の「うつよけ」メンタル不安定期の乗り越え方 人生後半への入り口でまさに「老いの思春期」

東洋経済オンライン / 2024年7月23日 16時0分

そして、それが50代半ばから後半になってくると、60代の定年を前に多くの会社員が役職定年を迎えたり、収入が下がってきたりして、自分の出世の限界が見えてきます。

これまで会社のために身を捧げて忙しく働いてきた人がこのような変化を迎えることで、仕事のモチベーションや生きる目的を見失い、気力や自信が失われてしまうこともあります。

さらに親世代の介護や死別などがきっかけで、うつ症状を感じ始める人もいます。

このように、体にも環境にも大きな変化を感じやすい50代というのは、人生100年時代のターニングポイント。自分の老いが見えてきて、成人から老人へ向かう時期です。

人生後半への入り口であり、まさに「老いの思春期」とも言えますが、この時期をどう過ごすかによって、後半生を苦しい日々にするのか、それとも新しい自分を探して楽しく生きるのかが決まってくるのです。

「今を変える」意識改革

私は高齢者専門の精神科医として、これまで30年以上、うつ病の人や認知症の人を診てきました。

また、抗加齢医学の国際的権威であるクロード・ショーシャ博士に師事して10年以上アンチエイジングを学び、80代、90代、あるいは100歳を超えても年齢を感じさせずにアクティブに生きている人たちを見てきました。

そんな私が実感しているのは、年をとればとるほど「心身相関」が強く現れるということです。

心の調子が悪くなれば体の調子も悪くなり、体の調子が悪くなれば心の調子も悪くなる、というように、精神的なストレスが免疫機能を低下させ、さまざまな身体疾患を招くことは知られていますが、高齢者になるほどその傾向が顕著になるのです。

だからこそ、高齢世代の入り口である50代から心の調子を良くしておくこと、つまり「うつ未満」の予防、「うつよけ」の準備をしておくことが重要です。

もちろん、うつ病になった場合は、きちんと心療内科や精神科で治療を受けることが大切です。うつ病には生物学的要因も影響しますから、専門医に診てもらう必要があります。

普段の過ごし方も重要

しかし、普段の過ごし方も重要です。私が長い間、うつ症状で苦しんでいる人と、いくつになっても活力や若々しさを保っている人を見てきて実感しているのは、世の中には「うつ病になりにくい考え方」や「うつ病になりにくい生活習慣」「うつ病になりにくい行動」があるということです。

たとえば、仕事でちょっとでも失敗をしたときに「自分はダメな人間なんだ」と思い込みやすい人は、その思い込みによって、すぐに自信を失ってしまいます。

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