1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

中国BYD、ウズベキスタンの乗用車工場が量産開始 海外生産体制を急拡大、タイやブラジルでも

東洋経済オンライン / 2024年7月25日 19時0分

BYDのウズベキスタン工場でラインオフした「宋PLUS DM-i 冠軍版」の第1号車(同社の公式SNSアカウントより)

中国のEV(電気自動車)最大手の比亜迪(BYD)は6月27日、中央アジアのウズベキスタンに建設した乗用車工場が量産体制に入り、現地で組み立てたPHV(プラグインハイブリッド車)の第1号車がラインオフしたと発表した。

【写真】ウズベキスタン工場の竣工式典に出席した同国のミルジヨエフ大統領(右)とBYDの王伝福・董事長

ウズベキスタン工場は、BYDが海外で建設・稼働させた初の乗用車工場だ。同社はタイ、ブラジル、ハンガリーなどでも乗用車工場を建設しているが、すでに稼働中なのはハンガリーのバス工場だけだった。

2車種のPHVを現地生産

BYDはウズベキスタンでの現地生産計画を2022年12月に発表。同国の国有自動車メーカー、ウズオート・モーターズと合弁企業を設立し、ウズベキスタン・ジザフ州に年間生産能力5万台の工場を建設した。

今回量産を開始したのは、SUVタイプのPHV「宋PLUS DM-i 冠軍版」だ。近い将来にはセダンタイプのPHV「駆逐艦05 DM-i 冠軍版」も生産する計画で、主に中央アジア地域の需要に応えていく。

BYDがウズベキスタン工場での最初の生産車種に、EVではなくPHVを選んだことは注目に値する。

同社は中国でEVとPHVの両方を生産・販売しているが、EVよりも価格が安く電池切れの心配も小さいPHVのメリットが消費者に認知され、2023年以降はPHVの販売の伸び率がEVを上回っている。

例えば2024年5月のデータを見ると、BYDが同月に販売した約33万台の乗用車のうちPHVは約18万4000台と半分以上を占め、EVの約14万6000台をすでに逆転している。

新興国が成長継続のカギに

BYDは海外市場への進出を加速しており、同社のEVやPHVは2024年5月時点でタイ、ブラジル、ドイツ、日本など77の国・地域で販売されている。EU(欧州連合)やアメリカが中国製EVに対する関税引き上げに動くなか、(中央アジアを含む)新興国市場の開拓はBYDが成長を続けるためのカギを握る。

同社の決算報告書によれば、2023年の海外売上高は前年比75.2%増加し、国内売上高の伸び率(32.9%)を大幅に上回った。また、BYDが発表した速報データによれば、2024年1~3月期の乗用車の輸出台数は9万8000台と、前年同期の約2.5倍に増加した。

さらに、今後は海外の現地生産拠点が続々と立ち上がる。ウズベキスタン工場に続いて、2024年7月にはタイ工場、同年後半にはブラジル工場が操業を開始。ハンガリー工場も2026年までに稼働させる計画だ。

(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は6月28日

財新 Biz&Tech

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください