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子どもの心に言葉が届く「親の声かけテクニック」 親の声が届かない理由は「怒っているから」

東洋経済オンライン / 2024年7月25日 7時50分

5分くらいして、また子どもは手をママの服で拭いたのです。

子どもはパスタやピザを食べているので、手が汚れている可能性大で、ママは、先程よりも、大きな声で、「やめてって言っているでしょ! ママの服で拭かない。わかったね。『わかった』は?」と言い、子どもは「わかった」と言っていました。

この段階で、筆者は絶対もう1回この子は同じことをやると確信しました。なぜなら、子どもには親が怒っていることはわかるけども、親の言葉の内容は伝わっていないからです。逆に親のその様子が楽しいとさえ思っている節もあります。

さらに、「『わかった』は?」と言われて、子どもは「わかった」と言っていますが、言いなさいと言われたから「わかった」と言っただけで、内容はまったく理解していないからです。

予想通り、また5分ぐらいして、ママの服で手を拭いて、今度はママはキレていました。

そのときの子どもの表情を見たら、なにやら楽しそうに笑みを浮かべています。つまり、子どもは、そのやりとりやママの反応が楽しくて”遊んでいる”のです。

ほんのちょっとしたことで子どもは変わる

では、このようなときママはどういえば、子どもはやめたでしょうか?

はじめの段階で、「手を拭くときはこれで拭いてね」と言って、お手拭きをただ渡せばよかっただけです。

すると、子どもはそれで手を拭きます。これは、走っている子どもに「走らないの!」と言っても、いったん止まったうえで、また走り出すことと同じ原理です。

強い口調で「止まれ!」と言われたので、驚いていったん止まりますが、その後どうすればいいのかわからないので、また走ります。

こういうときは、「ゆっくり歩こうね」と言えば解決するのに、「止まれ!」と言っているので、ある意味子どもは言われた通りいったんは止まっただけなのです。

ほんのちょっとしたことで子どもは変わるのですが、たいていは親側が方法を知らないので、そのときの感情の趣くまま対応し、「聞き分けのない子」「育てづらい子」「頑固」「癇癪持ち」と子どもに問題があるかのような判定をしてしまっていることもあります。

(2)電車内でのある親子のやりとり

電車内に3年生と1年生と思われる年齢の子とパパ、ママの4人が座っていました。子どもは退屈して少々はしゃぎ出しました。しかし、別に周囲には何の迷惑でもない状況でしたが、ママは「しー、静かにしなさい!」と指示や命令して落ち着かせようとしていましたが、子どもたちは一向に変化なく、相変わらずです。さらに、「静かにしないと変な目で見られるよ!」と脅迫構文を使ったり、「うるさくすると周りに迷惑でしょ!」と説得構文を使ってもいましたが、子どもたちは逆にテンションが上っているようで効果はまったくありません。親の言葉は子どもには一切届いていません。

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