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「東京4大結婚式場」の椿山荘がチャペル大胆改修 スイートルームの稼働率アップを見込む一手

東洋経済オンライン / 2024年7月27日 8時0分

椿山荘の戦略はホテル業界の時流を象徴するものだ。

ホテル業界ではコロナ禍が明けて業績が急回復している。ドーミーインなどを運営する共立メンテナンスは、2023年度の売上高、営業利益がともに過去最高を記録した。原動力となったのはインバウンド増加による客室単価の上昇だ。

藤田観光でもワシントンホテルなどのビジネスホテルの客室単価は、2019年から2023年にかけて15%ほど上昇した。椿山荘の客室単価も40%ほど上がっている。

一方、婚礼は厳しい環境が続く。厚生労働省によると、2023年の国内の婚姻件数は47万件。戦後初めて50万件を割り込んだ。京王プラザホテル札幌が開業時の1982年から行ってきたウェディング事業を来年3月末に終了すると決めるなど、事業撤退や規模縮小に踏み切るホテルも出ている。

椿山荘では2023年に1562組が結婚式を挙げたが、2022年の1747組より減っている。全盛期の年間3000組と比べると大きく見劣りする。

売上高の4割が婚礼で宿泊は2割程度というが、儲かるのは宿泊で婚礼は薄利だ。婚礼は人件費が多くかかるだけでなく、撮影やドレスなどの委託費用も必要となる。成長が見込め、収益性の高い宿泊に力を入れる椿山荘の改装戦略は理にかなっている。

チャペルの次は宴会場の活用

椿山荘の取り組みはこれだけにとどまらないだろう。藤田観光は2024年2月に発表した2028年までの中期経営計画で、椿山荘を含むラグジュアリー&バンケット事業の戦略に「低稼働資産の有効活用」を掲げている。

チャペルに次いで有効活用が求められるのが宴会場だ。結婚式はチャペルなどの式場と披露宴を行う宴会場がセットで稼働する。椿山荘は現在38の宴会場を持っているが、一部の宴会場は稼働率が低下しているようだ。

千尋総支配人は、転用方法については検討中としつつも「ビュッフェ開催などのイベントで集客を図りたい」と語る。椿山荘の改革はまだ始まったばかりだ。

星出 遼平:東洋経済 記者

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