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「トランプもハリスも無理」若いアメリカ人の本音 若者の2大政党に対する「不満」と「悲観」

東洋経済オンライン / 2024年7月27日 9時0分

中西部ケンタッキー州から1人で車を運転してきたというアイリスさん(26)は、議事堂方向を見ながら、有名なドーム屋根から炎が出ている油絵を描いていた。腐敗した議会が、内側から崩壊して、人々が見守る中で炎を吹き出す光景だという。

「選挙なんてジョーク。結局、金持ちや企業が莫大な政治献金をして、当選させたい人を選ぶだけ。ハリスにしても、バイデンと同じでイスラエルに武器を売るのをやめる訳ではないのだから」

アートの教師になりたくて大学に進学したものの、経済的に厳しく中退した。教師になったところで、給料は十分ではないと言う。本屋で働きながら、腐敗した政府を宇宙に放り出すという小説を書いている。

「アメリカは、パレスチナの大学、病院を爆撃する資金を出し、大量殺戮(ジェノサイド)のために国民の税金を使っている。それが我慢できない」

インフレ、学生ローンが払えないなどアメリカ国民が経済的に困窮していることにフラストレーションを感じているのは、共通項のようだ。

イスラエルへの武器供与に強い不満

自殺願望があり、9年も治療を受けているというサイモン・サンディーンさん(19)も大学に進学していない。ペンシルベニア州から妹とデモに駆けつけた。ハリス氏が「今のところベスト」と言い、投票するつもりだ。しかし、ハリス氏がバイデン氏に指名される前は、投票を躊躇していた。

「バイデンがイスラエルに武器を送り、ジェノサイドが行われている事実には打ちのめされた。ハリスは、検察官時代に性犯罪者を強く取り締まっていたと聞いて、投票してもいいかと思う」

ペンシルベニア州からのアーティスト、アガスタ・メイさん(30)は、ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏(無所属)の名前を投票用紙に書くという。

「アメリカ国民として、私が払った税金をイスラエルにやらずに、返して欲しい。都会に出るたびにホームレスが増えていて、お金をせがみ、通りで寝ている。買い物に出るたびに物価が上がっている。政治家は予算がないと言うけど、イスラエル支援は続けている。退役軍人がトラウマに苦しみ、薬物摂取で死ぬ人も毎日いる。教育予算も足りない。国民にお金を使わないで、イスラエルというのは納得がいかない」

ケネディ氏はイスラエル支持を表明しているものの、「アメリカ・ファーストの彼は、戦争を終わらせたいと言っている」と期待をかけている。

共産主義政党である社会主義解放党(PSL)の若い人たちは、猛暑の中の集会で、人々にペットボトルの水を配り続けていた。彼らは、PSLのクローディア・デ・ラ・クルーズを大統領候補に、カリーナ・ガルシアを副大統領候補に立てて、投票するという。インスタグラムなどで若い人の支援が増えている。

2大政党に対する拭えない不信感

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