強い精神力に必要不可欠な「心のコントロール法」 「自分の感情を客観視できるか」が重要ポイント
東洋経済オンライン / 2024年7月29日 16時0分
ただ、メンタル面で悩みを抱えている人にとっては、心は「道具」ではなく「自分自身」になってしまっています。
だから、しっかりとこれまでの「自分の心」に対する認識を改めて、心のトレーニングを通じて「道具化」する必要があるのです。
感情と心が一体化する、とは?
人間は感情(あるいは欲望)に振り回されると文字通り「我を忘れ」、まるでその感情と一体化したかのような感覚になってしまいます。
それは言葉にも象徴的に表されています。
「私(自分)は怒っている(私=怒っている)」
「私は悲しい(私=悲しい)」
「私はお金が欲しい(私=お金が欲しい)」
「私は出世したい(私=出世したい)」
その感情を抱いているのは「自分の心」なので、まさに「自分の心=自分自身」の状態です。
一方、そんな「自分の心」とは別に「本当の自分」が存在しているという認識に立つならば、これらは次のように表すことができます。
「私の心は怒りを感じている」
「私の心は悲しみを感じている」
「私の心はお金を欲しがっている」
「私の心は出世することを望んでいる」
言葉の上でも、前者より後者のほうがコントロールしやすい(コントロールできそうな)印象を受けるのではないでしょうか。
後者の表現は「本当の自分」の視点による言葉であり、感情と自分の間に“距離”があります。「心=自分」ではないので、心が怒っていても、悲しんでいても、どこか他人事です。
実際、「心」が怒りでいっぱいになっても、「本当の自分」が第三者的な目線(他人事の感覚)でその様子を観察すれば、実はそれだけである程度怒りは収まります。
みなさんも、何かにすごく腹を立てていた場面で、自分以上に腹を立てている他人の姿を見たことで、落ち着きを取り戻したことはないでしょうか。
それと似たようなものです。
強い精神力=心をコントロールできる力
このように「自分の心」が自分自身ではなく、「本当の自分」によってコントロールされるべき「道具」だと認識するだけで、心のコントロールに対する意識が高まります。
今では「本当の意味で強い精神力とは心をコントロールする力が強いことである」と思います。すぐにカーッとなり勢いよく怒る人は決して強い精神の持ち主であるとは言えないと思います。
まずは「本当の自分」が「自分の心」を意識することから始めていただくのがよいと思います。
そして、トレーニングを積むことで、より強く「本当の自分」によって「自分の心」を意識できるようになり、「心」が感情でいっぱいになっている最中でさえ、「本当の自分」によって「心」を冷静に観察できるようになります。
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