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佐久間宣行に学ぶ「くすぶる中堅」を伸ばすヒント インパルス板倉をコンビどん底から救った企画

東洋経済オンライン / 2024年7月30日 12時0分

そんな中で2018年から始まったのが、佐久間さんがプロデューサーを務める『ゴッドタン』(テレビ東京系)内の企画、「腐り芸人セラピー」です。

「腐り芸人」とは、お笑いに高い志を持ちながらも、現代のバラエティで求められていることに合わせられず、周囲とうまく折り合いをつけられずに、孤独に腐ってしまった芸人のこと。

そんな「腐り芸人」に対して、板倉さんと、平成ノブシコブシの徳井健太さん、ハライチの岩井勇気さん扮する「腐り芸人三銃士」がセラピストになって、芸人にダメ出しやアドバイスをします。

相談者も、そしてセラピストである三銃士でさえも、周囲に対する嫉妬や、屈折した思いを隠さずに、率直な胸の内や世の中への怒りを語ります。嘘のない本音をさらけ出したからこそ、この企画は多くの視聴者の心に刺さりました。

自分の可能性に気づく「機会」をつくる

腐り芸人セラピーのことを、板倉さんは雑誌『SWITCH』で以下のように語っています。

“声がかかったのはちょうどインパルスという船の底に穴が開いていると感じていた頃で。このまま沈没するんだったら、積んでる爆弾全部ぶっ放してから沈んでやろうと思ってた時にオファーが来たので、佐久間さん超能力でもあるのかなって。汲み取れるはずのない心の内を汲み取ってくれたなと思いましたね。で、本番で爆弾をぶっ放しまくったら船が軽くなって、今もまだ浮いてるって状態になりました”(『SWITCH Vol.42 No.5 特集 佐久間宣行のインプット&アウトプット』2024年4月20日発売号より引用)

腐り芸人の企画のすごさは、板倉さんの「天才的な職人気質を持つ芸人」といった世間の印象以外に、自虐的な部分など、どこか共感できる部分を引き出し、適切なプロデュースで今までとは違う側面を見せたという部分だと思います。人の持つ弱点や欠点さえも、佐久間さんは面白がって笑いに昇華しているのです。

佐久間さんは、板倉さんの新たな魅力を引き出す一方で、もともと板倉さんが強みとしている、巧みなコメント力も打ち出す演出をしています。

『NOBROCK TV』内の『操り師板倉先生 操りドッキリ』シリーズは、板倉さんがアイドルや女優に遠隔指示を出して、芸人の前でボケてもらうドッキリ企画。“操り師板倉先生”としてこちらでも新たな面白さを発揮しています。

現在上がっている14本の動画はどれも再生回数が高く、グラビアアイドルの風吹ケイさんが登場した「第3回エステしないエステティシャン選手権」は、再生回数が400万を突破しています(2024年7月下旬時点)。

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