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石破茂氏、国民人気抜群も広がり欠く党内支持 「ポスト岸田」総裁選出馬となれば挑戦5度目

東洋経済オンライン / 2024年7月30日 10時0分

石破氏が繰り返す「『勇気と真心をもって真実を語る』政治」は、石破氏が田中角栄元首相(故人)とともに「政治の師」と仰ぐ渡辺美智雄元副総理(同)が繰り返した言葉。「あと一歩のところで総理・総裁の座に届かなかった渡辺氏の“遺志”を継ぐ決意をアピールする狙い」(石破氏側近)からとみられている。

「地方票」で圧倒すれば「議員票では覆せない」?

総裁選で4連敗してきた石破氏にとって「今回はこれ以上ない好機」なのは間違いない。総裁選は、それぞれが同数でカウントされる、所属国会議員による「議員票」と全国の党員らによる「地方票」の合計で争われる仕組みだ。ただ、1年以内の衆参両院選挙が確実視される中、国民意識に近い地方党員らの多数から「石破首相」への期待が示された場合、「今回ばかりは、国会議員が永田町の論理で勝敗を覆すのは自殺行為」(政治ジャーナリスト)となりかねないのが実情だ。

自民の政権復帰前の2012年9月に実施された総裁選では、「地方票」で1位となった石破氏を、総裁再登板を目指した故安倍晋三元首相が決選投票で逆転した歴史がある。しかし、今回は石破氏を敵視してきた旧安倍派内でも「国民人気が1番の石破氏に入れたい」(若手)との声が少なくない。

そこで問題となるのが、第2次安倍政権から岸田政権にまで続く「説明責任を果たさない政治」を厳しく批判し続けてきた石破氏の、今後の政治的立ち位置だ。ここにきて、石破氏自身も周囲に「安倍政権以降の総括と、それを継続するか否かが最大の争点だ」と語っているとされる。

石破氏周辺によると、前回の2021年総裁選で岸田氏から支援を求められた際、①アベノミクスの検証②憲法9条2項を維持したまま自衛隊の存在を明記する憲法改正案の見直し③森友学園問題の再検証――を提示したが岸田氏が応じなかったため、河野太郎氏の支援に回ったとされる。

岸田氏不出馬なら、菅、二階両氏が「見限る」可能性も

それだけに、今回総裁選ではこの「石破提言」の可否も問われることになる。そこで問題となるのが、無党派議員にかなりの影響力を持つ菅義偉前首相や、依然として旧二階派を仕切る二階俊博元幹事長への「政治的接近」(自民長老)だ。菅氏は官房長官、二階氏は幹事長として安倍晋三政権を支えてきただけに、石破氏側近からは「旧来の派閥政治に頼らず、孤立無援でも1人で立つべきだ」との声が出る。

しかも、8月下旬に岸田首相が再選断念を決断した場合、総裁選の構図は一変する。「反岸田勢力」の結集軸となってきた菅、二階両氏やその周辺議員は「簡単に石破氏を見限る可能性が少なくない」(自民長老)からだ。ここにきて、菅氏周辺でも「議員歴の長い石破氏より、40代の小泉進次郎元環境相ら若手を推すべきだ」(無派閥閣僚経験者)との世代交代論が勢いを増す。

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