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「依存症が怖い?」子どものゲームを管理する方法 適切に付き合えばゲームにはプラスの面も

東洋経済オンライン / 2024年7月31日 16時0分

また、意外でもないことだが、影響の受けやすさは子どもによって異なる。

これは子育てにおける多くの心配事と同じく、執着したり完全に無視したりすべきではないことのように感じられる。ビデオゲームが問題になる子どももいるだろう。

わが子がビデオゲームに夢中になりすぎている、人間ではなくスクリーンとの時間を優先することが多すぎる、もしくはうつ病や執着の症状が現れている様子がある場合は、親が行動を起こすべきだ。

一方で、その確率は非常に低く、多くの子どもは悪影響を受けずにビデオゲームで遊ぶことができるのも事実だ。

睡眠に関していえば、スクリーンと睡眠は相容れないというエビデンスがある。

睡眠は子どもにとって極めて重要だ。しかし実際の学齢期の子どもの多くは、さまざまな理由で十分な睡眠をとれていない。その原因の1つとして考えられるのが、テレビだ。

テレビ視聴が睡眠に影響を与えるという観察証拠がいくつかある。

とりわけ“就寝時間近くのベッドでの”テレビ視聴との関連性が高く、自分の部屋にテレビがある子どもは、睡眠時間が短くなりやすい。思春期にテレビをよく観ていると、成人期に睡眠の質が悪化し、テレビ視聴を減らすことで睡眠が改善されるようだ。

これについては実験による証拠がいくつかある。

有益な研究の1つが、就寝時間近くに一度テレビやビデオゲームを長時間視聴した後に、青少年の睡眠パターンをモニタリングしたものだ。

その研究では、就寝時間が午後8時半か9時頃の、3つの異なる環境(①メディアにさらされない、②午後6時から7時まで1時間ビデオゲームをする、③午後6時から7時まで1時間のテレビ視聴)の中にいる11人の子どもを追跡した。

その結果、睡眠パターン(継続性、有効性、「睡眠アーキテクチャ」などのような、睡眠の各フェーズにどれだけの時間が費やされるか)が、テレビとビデオゲームの両方の影響を受けることがわかった。

つまり、就寝時間近くにスクリーンを観ることは睡眠の質を悪化させるのだ。

これは、就寝時間近くにテレビやビデオゲームを許したり、子どもの自室にテレビを持たせたりすることについて、ある程度の注意喚起を要するのに十分なエビデンスだろう。

また耳が痛い話だが、大人にも同じことがいえる。

テレビやゲームで遊ぶときは、大人も一緒に

2016年、アメリカ小児科学会はテレビに関するガイドラインを改訂した。

変わった項目の1つとして、「共同」でのメディア消費を奨励するようになったことが挙げられる。基本的なメッセージは、「テレビやビデオゲームやアプリはすべて、子どもと一緒に観たり遊んだりして、子どもと関わり話し合うことで、想像よりはるかに有益なものになる」ということだ。

これに関するエビデンスは多くはないが、論理はわかるだろう。

『アナと雪の女王2』を子どもと一緒に観ることで、なぜアナが橋を壊す必要があったのかを話し合ったり、(子どもが年長の場合は)エルサがハニーマレンとの恋愛関係に巻き込まれる暗示なのかと分析したりという広がりが増えるかもしれないのだ。

また、アプリ、特に「教育」アプリに関しては、あなたが一緒に取り組んで流れを理解するのを助ければ、お子さんの学びが増えるのは明らかだろう。

まとめると、メディア視聴は子どもにとって“プラス”の側面もある、ということだ。

テレビ、ビデオゲーム、アプリは、すべてが悪いわけではない! わが子とつながり、関心事を共有するきっかけにもなるのだ。

すべてはバランスが大切だ。ただし、寝る前は除いて。

エミリー・オスター:ブラウン大学経済学部教授

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