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「ビジネス力×データサイエンス」が最強な理由 シチズンデータサイエンティストという選択肢

東洋経済オンライン / 2024年7月31日 9時0分

②データサイエンス力(data science)

人工知能、統計学や機械学習などの知識を理解し使う力。主に数学や統計学、機械学習などを得意とする研究者系人材が主軸とする領域。

③データエンジニアリング力(data engineering)

データサイエンスに必要なデータを意味のある形に加工・実装・運用できるようにする力。主にシステムエンジニアやデータエンジニアなどエンジニア系人材が主軸とする領域。

さらに、これ以外にもチームメンバーと協力して仕事をするための「コミュニケーション能力」や複数人でプロジェクトを進めるにあたっての「プロジェクトマネジメント力」、データサイエンスを活かしたシステムを複雑な業務システムの中に組み込み構築する「システムエンジニア力」など様々なスキルが、実際のデータサイエンティストが活躍するビジネスの現場では必要になってきます。

このように、データサイエンティストに必要なスキルはとても幅が広く、1人ですべての領域をカバーすることはとても難しいものとなります。おのおののデータサイエンティストが自分の強みを持つ領域をベースに自らの専門性を磨き、ともに仕事をする仲間と足りないスキルを補い合うことも仕事を進めていく上で非常に重要となります。

しかし、これだけ必要なスキルが幅広いと、十分な経験を持つ人材が不足しているのが現状です。経済産業省によると、AI、クラウド、データサイエンスなどのIT人材不足は、2030年には約79万人に拡大すると予想されています。この専門人材不足の課題を解決するために、データサイエンティストのような高度なスキルや技術がなくとも、データからビジネス成果につながる深いインサイトを導くことのできる「シチズンデータサイエンティスト」の必要性が重要となっています。

目指すべきは「シチズンデータサイエンティスト」

シチズンデータサイエンティストとは、「データ分析や統計解析の専門家ではないものの、データを分析して意思決定を行ったり、機械学習のモデルを構築できる人材」と定義されています。彼らは、営業、マーケティング、財務、人事など、各企業でビジネスを行う最前線の各事業部門に所属し、自分たちが直面するビジネス課題について深い理解を持っています。

つまり、データサイエンティストの3スキルで紹介した「ビジネス力」に特化したデータサイエンティストとして大きな可能性を秘めている状態なのです。このようなビジネスの専門家が、AI・データサイエンスの基礎を学び、AutoML(Automated Machine Learning:自動機械学習)と呼ばれるデータ分析を自動化するようなツールを活用することで、自らの部門におけるビジネス課題をデータサイエンスを活用して解決できる。そんな人材のことを「シチズンデータサイエンティスト」と呼んでいます。

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