トヨタとホンダ「遅れたEV挽回策」の決定的な違い テスラ失速でも、EVシフトの大波は止まらない
東洋経済オンライン / 2024年7月31日 9時0分
非常に大きな影響を受けると思われます。自動車には大体2万~3万点の部品が搭載されていますが、中でもエンジン部品の占める割合は大。これがモーターに置き換わると稼ぎ頭を失ってしまうメーカーは多く、どう生き残るのかが深刻な課題になっています。
これもホンダとトヨタそれぞれの系列企業について、どんな対応策を講じているのか見ていきましょう。
まずはホンダ。2022年にはキーシステムを手がけるホンダロックという、ホンダとの資本関係もある”血の濃い”系列企業について、同業のミネベアミツミへ売却することが発表されました。燃料タンクを手がける子会社・八千代工業も、インド系部品メーカーへの売却を決めています。
2件ともホンダとのつながりが強い会社の売却だったため、業界に驚きが広がりました。部品メーカー関係者からは「売り飛ばすのか」という意見や、逆に「生き残りのための素早い一手だったのでは」という意見など、見方の異なるさまざまな声が上がっていました。
一方のトヨタ系は、「ホーム&アウェイ」という考え方の下、得意・苦手領域のすみ分けを推進してきました。例えばデンソーは、エンジン点火用プラグなど2事業を日本特殊陶業へ売却する計画。ホンダ系が「会社単位での再編」なら、トヨタ系は「事業単位での選択と集中」といえます。
EVシフトで影響を受けるのはエンジン部品だけではありません。ものづくり改革が進めば、車体部品メーカーの中からも必要なくなる会社が出てくる可能性は大いにあります。あらゆる部品メーカーがすでに危機感を持っており、生き残りに向けてここから数年がカギを握りそうです。
横山 隼也 :東洋経済 記者
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