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営業中の「会話の沈黙」を怖がってはいけないワケ お客さまの話をじっくり聞く「傾聴」が大切

東洋経済オンライン / 2024年8月2日 18時0分

焦りそうになったら、沈黙もお客さまの大切な時間であることを思い出してください。

会話は相手のペースに合わせる

人によって、会話のテンポや話すスピードはさまざまです。ゆっくりと話す相手に対してこちらが早口だと畳み掛けているようになりますし、話すテンポが速い人にはリズムよく受け答えすることで、話が盛り上がります。

自分のペースで話せると、お客さまも自然体でいられます。そんなリラックスした雰囲気だからこそ、住みたい家やどんな暮らしがしたいのかというイメージが具体的な言葉として出てくるのです。

お客さまに正直に希望を話してもらうために、私は普段から「安心して話せる場づくり」を心がけています。たとえば事務所のインテリアや照明、全体の色のトーンなどを落ち着いた空間にすると同時に、会話で違和感を感じさせないようにしています。

数ある工夫の中でも、とくに安心感を与えるのが、「急いで決めなくていいですよ」という一言。「住む物件で人生が変わります。ですから、そんな簡単に決める必要はありません」ということは、どのお客さまにも必ず丁寧にお伝えするようにしています。

「ここに住んだら、絶対に気持ちがいい生活が送れる」と、お客さまも私もピンとくる物件に出会えたとき、初めて決断すればいいのです。それを最初にしっかり共有しておくことで、お客さまも「今の自分にとってベストな家をじっくり探せばいい」という安心感が持てます。

お客さまに安心感を持ってもらう、心の扉を開いてもらうために、意識しているのは、会話の中でなるべく相手の名前を呼ぶということです。

「田中さんは、どんな家に住みたいと思っていますか?」

「田中さんが絶対譲りたくない家の条件はなんですか?」

というような感じです。

心理学では、名前を呼ぶことは相手を承認するサインといわれています。つまり、「あなたの話をしっかり聞いていますよ」というメッセージを伝えていることになるのです。

人に話を聞いてもらえることは、誰にとってもうれしいこと。「この人は私の話を本気で聞いてくれている」と思うだけで、人は安心して「もっと話したい」という気持ちになるのです。

実際、お客さまの名前を呼びかけながら会話をしていると、「鈴木さんになら、何でも話して大丈夫かな」と、どんどん打ち解けてくれます。そんな会話を重ねているうちに、途中から「鈴木さん」から「誠さん」と下の名前で呼んでくれるようになったりすることも多くあります。

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