1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

独自試算、マンション「買って得したエリア」TOP10 首都圏と近畿圏で値上がり率が高いのはどこ?

東洋経済オンライン / 2024年8月2日 10時30分

こうした都心有利の状況に、「郊外の星」が生まれている。それは千葉県流山市で全体8位の8.8%となっている。物件数は6と少ないが、総戸数が平均200戸と大規模物件が多い。大規模物件の線引きは200戸以上で、タワーと同じで資産性が高くなる傾向がある。

流山市は全国の市のなかで6年連続人口増加率1位となり、10年で約5万人増加し、15歳以下の年少人口の増加率は全国1位。子育て世代を中心に、人口が増え続けているまちで有名だ。

流山市が子育て世代に人気があるのは明確な理由がある。それは子育てしやすい環境を行政が整え、支援しているからである。

具体的には、「送迎保育ステーション」がある。流山おおたかの森駅と南流山駅に設置された送迎保育ステーションは、朝に預けると保育園まで送ってくれ、夕方は再び送迎ステーションまで返してくれる。

親は毎日駅での行き帰りに子どもを預け、引き取ることが通勤の一環でスムーズに行うことができる。1回100円で利用可能で、利用にあたり審査と面談があるが、お迎えのストレスが軽減し、時短になることからこのサービスに対する評価は非常に高い。

また、保育園の数を15年で5倍に増やし、2021年に待機児童ゼロを達成している。最寄り駅などのアクセスを無視した保育園定員の総数ベースでの待機児童ゼロは、机上の空論でしかない。

筆者が主宰する住まいサーフィンという会員制サイトでは、駅別に0歳児人口と認可保育園定員を比較して入りにくい駅をランキングしているが、こうした実質的にゼロなエリアは非常に少なく、親世代が引っ越しをする際の安心感に結びついていると考えられる。このように、圧倒的な人気で需給バランスが作用して資産性が上がることは非常にまれなケースである。

千葉県のトップは流山市だったが、埼玉県のトップはさいたま市浦和区で2.5%のプラスだった。神奈川県では、横浜市中区1.0%、横浜市西区が0.8%と続くが、首都圏平均をやや上回るレベルにすぎない。都心アクセスがいいエリアのほうが通勤族には受けがいい証拠でもある。

資産性の低いエリアは?

一方、マンションは多く建つものの、資産性が低いエリアもある。千葉県で最も低いのは松戸市の-15.9%で、流山市とは25%近く差がついている。埼玉県では川口市で-11.6%となる。タワーマンションも多く建ち、都心アクセスのいいエリアだが、一般的に資産性は低い。

都下では、トップが武蔵野市で-0.5%とすでにマイナスで、小平市がワーストで-14.8%となる。神奈川県では港北ニュータウンとして人気はある横浜市都筑区が-15.3%と下位に沈んでいる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください