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「校内スマホ禁止」は絶対か?動き始めた生徒たち 生徒主導の「校則見直し」西武文理の場合ー前編

東洋経済オンライン / 2024年8月3日 8時30分

ルールを否定したいんじゃありません。学校をカオスにしたいわけでもありません。ルールのつくり方を学ぶ学校にしたいと思ったのです」

まず取り組んだのは「スマホ校則改正プロジェクト」だ。それまで、校内でのスマホ使用は禁止だった。いまでは一定のルールの中で、校内でのスマホ利用が認められている。プロジェクトの中心メンバーだった池田大空さん(高3)と古田一成さん(高3)と相原知紗さん(高2)に話を聞いた。

生徒が教員一人一人にヒアリングを行う狙い

池田 いくら生徒たちがルールをつくるといったって、しょせん、最終的には大人の承認が必要なんです。学校は生徒たちの生活の場であるとともに、大人たちにとっては仕事の場です。生徒が好き放題して大人の仕事を間接的にでも増やしたら、大人は絶対イエスとは言わない。それは間違いない。

おおた 現実的ですね。

池田 2023年4月にペドロ校長先生からお話をいただいて、実働が5月から。手分けして、生徒や保護者に対してはアンケートを行いました。教員に対しては一人一人ヒアリングを行いました。ヒアリングというより、説得の意味合いもありました。

おおた 反対されるポイントがわかれば、それに対する打ち手を用意することができますからね。そこは丁寧に聴き取ったわけですね。

ペドロ 私がやりたかったのはそこです。問題解決のためにたくさん情報を集めて、どこが足りないか、それをどう補うかを考えるということです。スマホについてそれは何でした? 具体的にいちばんの反対の意見は何だった? 

池田 授業中の使用と盗撮の心配でした。

おおた そこにはどう対処しましたか?

ペドロ 授業中は使えない。盗撮は結構厳しめな生徒指導。犯罪扱いになる。それをみんなに見せるわけね。みんなそれをわかってたらOKってことでしょ。

おおた 学校の中のことであっても、盗撮については容赦なく警察に突き出すぞっていう感じ?

池田 とは書いてないですけど、それを示唆するような。

おおた 仲間であってもそこは毅然とした態度をとるぞと。

たくさんのデータを集めて議論。でも定例会は開かない

池田 さらに、ここにいる相原が、他校での事例も調べてくれました。これらのデータをもとに、1カ月くらいでガイドラインの素案はできたんですが、それに対する教員側からの回答をもらうまでに3カ月かかりました。

おおた ちょっとイラッとするぞ、みたいな?

ペドロ いろんなひとが関わると、プロセスに長い時間がかかることがわかったんじゃないですか?

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