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アフリカ「巨大鉄鉱山」開発、最大の懸案をクリア 中国企業連合やリオティントが投資分担に合意

東洋経済オンライン / 2024年8月6日 18時0分

シマンドゥ鉱山とギニア沿海部を結ぶ鉄道の建設は、中国企業による工事がすでに始まっている(写真はWCSのウェブサイトより)

アフリカのギニアにある巨大鉄鉱山「シマンドゥ鉱山」。その開発プロジェクトが大きな節目を乗り越えた。

【写真】未開発の鉄鉱山としては世界最大級の規模を持つアフリカ・ギニアのシマンドゥ鉱山

英豪資源大手のリオティント、中国の鉄鋼最大手の宝武鋼鉄集団などを含む企業コンソーシアムのメンバーおよびギニア政府が、2年半余りに及んだ困難な駆け引きを経て、最大の懸案だったインフラ建設の投資分担について合意に至ったのだ。

リオティントは7月16日、シマンドゥ鉱山のインフラ建設に着手するための条件がすべて整ったと発表した。その中には、ギニア政府および中国政府の監督当局からの許認可取得も含まれているという。

鉄道・港湾に莫大な先行投資

シマンドゥ鉱山はギニア南東部の内陸にあり、未開発の鉄鉱山としては世界最大級の規模を持つ。鉱石の鉄含有率は平均65.5%に上り、本格採掘が始まれば年間産出量は1億~1億5000万トンに達する見込みだ。これは全世界の産出量の5~7%に相当し、鉄鉱石のグローバル市場の構図を一変させる可能性を秘めている。

同鉱山の開発は、「シムファー」および「WCS(ウィニング・コンソーシアム・シマンドゥ)」という2つの企業コンソーシアムとギニア政府の共同事業として進められている。ステークホルダーの合意形成に長い時間を要したのは、採掘した鉱石を沿海部まで運ぶ鉄道や、それを世界に輸出するための港湾の建設に莫大な先行投資が必要だからだ。

今回の合意により、全長約536キロメートルに及ぶ鉄道本線および約16キロメートルの支線の建設をWCSが、約70キロメートルの支線の建設をシムファーが担当することになった。港湾に関しては、年間取扱能力6000万トンの積み替え港をシムファーが、同規模の鉱石はしけ用の港をWCSがそれぞれ建設する。これらのインフラ建設コストは、最終的に両コンソーシアムで折半する。

シマンドゥ鉱山は4つの鉱区に分かれており、南部の第3鉱区と第4鉱区の採掘権をシムファーが持つ。コンソーシアムの出資構成はリオティントが約45%、宝武鋼鉄集団、中国鋁業集団(チャイナルコ)、中国鉄建、中国港湾建設からなる中国企業連合が約40%、ギニア政府が15%だ。

一方、北部の第1鉱区と第2鉱区の採掘権はWCSが85%、ギニア政府が15%を保有する。WCSの出資構成は、シンガポールのウィニング・インターナショナルと中国の中国宏橋集団が主導する企業連合が51%、宝武鋼鉄集団が49%となっている。

2025年の生産開始目指す

シムファーは、シマンドゥ・プロジェクトへの総投資額を約116億ドル(約1兆8400億円)と見積もっており、そのうちインフラ建設投資が約65億ドル(約1兆300億円)を占める。

WCSの投資額も同規模だと仮定すると、鉱山開発とインフラ建設の全体投資額は200億ドル(約3兆1700億円)を超え、その半分以上がインフラ建設に投じられる格好だ。

リオティントは、(同社が主導する)南部の第3鉱区と第4鉱区での生産を2025年に開始し、2年半以内に年間生産能力を6000万トンに引き上げる目標を掲げている。これにWCSの生産分を加えると、シマンドゥ鉱山の産出量は2027~2028年には年間1億2000万トンに達する可能性がある。

(財新記者:羅国平)
※原文の配信は7月17日

財新 Biz&Tech

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