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預金金利引き上げ、どれだけ家計にプラスになる? メガバンクの普通預金金利は半年前の100倍に

東洋経済オンライン / 2024年8月7日 8時0分

仮に500万円を10年間預けた場合、複利で付く利息は、金利0.001%なら500円(税引き後399円)、0.1%なら5万0027円(税引き後3万9865円)です。

金利の違いによる利息の差は預入期間が長くなるほど大きくなりますから、特に5年、10年など長期間の定期預金に預け入れている場合には、金利が上がった後に預け替えるほうが有利になるかもしれません。

ただし、満期前に定期預金を引き出すには解約手続きが必要です。解約に手数料はかかりませんが、利息は「中途解約利率」が適用され、預け入れたときよりも低い利率で計算されます。また、預入中の定期預金を解約して再度預け入れることにより、満期日が後ろ倒しになることにも留意が必要です。

低金利局面での利率が極めて低かったこともあり、今回の利上げで預金金利が引き上げられても、それほどメリットを感じないかもしれません。しかし日銀は今後さらなる追加利上げも示唆しており、預金金利が再度上がる期待もできます。

ほとんど利息が付かなかった頃には、預金に対してお金を増やす目的はさほど期待できませんでしたが、金利引き上げでその潮目が変わるとなるとどうでしょう。個人の資産を預金に回帰してもいいものなのでしょうか。

物価高に対応できるか⁉

現状では、預金だけで資産を増やすには、まだまだ金利水準が低いと言わざるを得ません。かりに預金金利が年2%まで上がったとしても、手取りの利息額(税引き後)は預金額100万円で1万5937円、預金額1000万円で16万円弱です。

これまでに比べれば格段に資産形成効果は高いものの、普通預金金利2%が実現する経済状況であれば物価上昇も続いているはずですので、生活費も高くなっているリスクも考慮しなければなりません。

物価上昇率はすでに2年前から日銀が目標とする2%を超えており、日銀は先行きについても2026年度までおおむね2%で推移すると予想しています。

預金金利がこれを下回ることは預金が実質的には目減り状態であることを意味しますが、利上げ後でも預金金利はようやく年0.1%というところです。近く追加利上げが行われるとしても、物価上昇率を上回るほどに預金金利が引き上げられるまでには、まだ時間がかかるのではないでしょうか。

加藤 梨里:FP、マネーステップオフィス代表取締役

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