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子供から「人を殺すかも」と言われたらどうする? 気持ちを受け止めて心を開くための受け答え

東洋経済オンライン / 2024年8月7日 15時0分

お母さんは、苦しい思いをぶつける相手として武弘くんに選ばれたのです。それなのに頭から叱られたりしたら、武弘くんはどんな気持ちになるでしょう。

ひょっとしたら、その先、どんなにつらいことがあっても、お母さんの前では本音を言えなくなるかもしれません。すべて自分ひとりで抱えこんでしまうようになるかもしれません。

お母さん自身、「人を殺すかもしれない」と言われたときは、一瞬、ドキッとしたと言います。しかし叱るより前に、まずは武弘くんの言葉に耳を傾けました。そして、武弘くんの気持ちを受け止めることを第一と考えました。

その結果、「僕、やっぱり殺さないと思うよ」という結論を、武弘くん自身の言葉で聞くことができました。おそらく、武弘くんが今後、もっと大きなトラブルに直面したときにも、このお母さんなら思いのたけをぶちまける相手として選ばれることでしょう。

子どもの気持ちを知りたいと思うなら、ストレートに質問すればいい、そのほうが手っ取り早いと考える人もいるでしょう。しかし、いきなり「なぜ?」「どうして?」と質問されても、子どもはなかなか本音を答えられるものではありません。

すぐに「なぜなら……」と語れる答えが出てこないことも多いからです。親の態度や言い方に反発したり、自分の気持ちを恥じたりすることもあるでしょう。子ども自身、気持ちの整理もついていないのに、親からあれこれ質問されたら混乱して黙りこんでしまう可能性もあります。

子どもに質問するより重要なこと

そもそも「質問」は、ほんとうに相手の話を聞こうとする行為なのでしょうか。子どもが何か話しはじめたとき、途中で親が質問するのは積極的な態度に思えます。しかし親が質問する内容はあくまで親自身が「知りたいこと」です。

子どもが「話したいこと」とは違うかもしれません。親の価値観や先入観に基づいた誘導尋問になっていく可能性もあります。子どもがほんとうに伝えたかった問題からどんどんそれていってしまう恐れがあるのです。「質問」は往々にして親自身が語り、ボールを投げ続けることなのです。

「能動的な聞き方」では、相手の投げたボールをそのまま受け取り、確認を行います。たとえば、子どもが「今日は雨だから学校行きたくない」と言った場合に返す言葉は、具体的には次の3つの形をとります。

①相手の言葉をくり返す……「今日は雨だから学校に行きたくないのね」
②相手の言葉を言い換える……「今日は学校を休みたいんだね」
③相手の気持ちを汲む……「雨の日は学校に行くのがイヤなのね」

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