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渋沢栄一「論語と算盤」を形作った少年時代の原点 「近代経済の父」が14歳で始めた商売に感じた不満

東洋経済オンライン / 2024年8月8日 14時0分

そうして商売をする中で、強い疑問を持つこともありました。お金が足りないときに領主が「御用金」といってたびたびお金を出すよう命じるのですが、そのとき「さっさと出せ」という態度をとるのです。「農家はお金を出して当然というあの態度は何なんだ」と不満を感じていました。

栄一はよく本も読んでいました。6歳ごろから『論語』をはじめとする書物を習い、読書に夢中になります。12歳のお正月のときなんて、本を読みながら歩いていたら溝に落ち、晴れ着を汚してお母さんに怒られたんだって。

お父さんも「本ばかり読んでいないで、仕事を手伝いなさい」と言いました。このときは、読書と仕事が別々のものだったけれど、大人になって、つなげることができたわけです。

後年、渋沢栄一が書いた『論語と算盤』は、今もとても人気のある本です。一見つながらない『論語』と「算盤=経済」をつなげたのがとてもおもしろい。

この本には、人として正しくあることと、お金をもうけることとを両立させなさいということが書かれているんです。

■出展

『渋沢栄一自伝 雨夜譚・青淵回顧録(抄)』渋沢栄一著  角川ソフィア文庫
『渋沢栄一 よく集め、よく施された』武田晴人著  ミネルヴァ書房
『渋沢栄一 社会企業家の先駆者』島田昌和著 岩波新書

齋藤 孝:明治大学教授

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