1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

「南海高野線の終点」極楽橋、知られざる駅前風景 ケーブルカー乗り継ぎが中心、改札を出ると…?

東洋経済オンライン / 2024年8月8日 7時30分

難波から直通する特急「こうや」の終着駅である極楽橋駅。高野山へは同駅でケーブルカーに乗り継ぐ(記者撮影)

南海電鉄高野線の電車は大阪市中心部のターミナルである難波駅から毎日、世界遺産で知られる高野山へ国内外からの観光客を運んでいる。高野線を代表する特急「こうや」のほか、一部の快速急行と急行が難波から終点まで直通する。

【写真50枚を見る】特急の終着駅なのに1日平均乗降人員は58人(2023年度)。ほとんどの乗客が出ることがない「改札の外」に何があるのか?

知名度は高い「極楽橋」

その高野山側の終点が極楽橋駅。難波をはじめとする主要駅のホームでも列車の行き先に「高野山 極楽橋」などと表示され、利用者の目に触れる機会が多く知名度は抜群だ。

【写真】ほとんどの観光客は知らない?極楽橋駅の改札の外側。構内も立ち止まってよく見ると新たな発見があるかも(50枚)

高野線は橋本までが複線区間。沿線にベッドタウンを抱えて通勤通学路線の性格が強く、特急「りんかん」も走る。橋本からは単線となり、紀ノ川を渡る。極楽橋までの19.8kmは標高差443mの山岳区間。学文路(かむろ)、九度山あたりまでは意外にスピードが出るが、高野下からは本格的にカーブと急勾配、トンネルが連続するようになる。

橋本―極楽橋間を走る座席指定の観光列車「天空」は7月3日に運行開始15周年を迎えた。

24あるトンネルの最後を出てすぐの極楽橋駅は、これ以上は普通の鉄道で上れない、といわんばかりの山の中にある。標高は535m。特急の終着駅にもかかわらず、2023年度の1日平均乗降人員は58人と際立って少ない。

電車を降りた乗客のほとんどは改札を出ることなくそのまま、高野山ケーブルカーの乗り場へ向かう。ケーブルカーは発車すると約5分で標高867mの高野山駅に到着する。

高野山駅の乗降人員は1669人。駅前のロータリーでバスへ乗り継ぎ、金堂や根本大塔などが建ち並ぶ壇上伽藍、奥之院といった真言密教の聖地へ向かうのが一般的だ。専用道を走る南海りんかんバスの車窓にはシカなどの野生動物が現れることも多く、国内外からやってきた観光客を喜ばせている。

歴史が古い極楽橋駅

現在でいう高野線は1925年に高野下までが開業。当時は高野下駅が「高野山駅」を名乗っていた。同年設立された高野山電気鉄道が難工事の末、1928年6月に神谷(現在の紀伊神谷)、1929年2月に極楽橋まで開通させた。ケーブルカーと高野山駅は1930年6月に開業した。

ケーブルカーの乗り場とは不動川を渡る構内通路で結ばれている。歴史ある極楽橋駅だが、電車からケーブルカーへスムーズに乗り継げてしまうため、じっくり構内を観察する時間はあまりなさそうだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください