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楽天が"ChatGPT風"の対話型AIを投入する勝算 新サービスで"買い物体験"に革命なるか

東洋経済オンライン / 2024年8月9日 9時0分

三木谷氏は楽天の強みについて、「国内であればほとんどの方が楽天IDを持っていて、楽天グループの何らかのサービスを使っている」と述べ、約5000万人の国内ユーザーと、グループ全体で約18億人のID保有者がいることを明かした。さらに「Google、Amazon、Metaのようなハイパースケーラーと呼ばれる事業者も、楽天ほど幅広く深いデータを持っていないだろう」と断言し、楽天グループの多様な事業領域から得られるデータの価値を強調した。

さらに、楽天は独自の大規模言語モデル(LLM)の開発も進めている。三木谷氏は、楽天が開発中の「Rakuten AI 7B」について言及した。このモデルは70億パラメータの比較的小規模なLLMだが、日本語の処理能力では世界トップクラスの性能を示しているという。

法人向けサービスにもAIを活用

楽天グループは、法人向けサービスにおいてもAIの活用を積極的に進めている。三木谷氏は「トリプル20」と呼ばれる取り組みを紹介した。これは、マーケティング効率、オペレーション効率、顧客のオペレーション効率を20%ずつ向上させることを目指すものだ。

楽天市場においても、AIを活用して出店者のビジネスを支援している。三木谷氏は「今までの店舗運営とかサービス運営とか、あるいはそういう店舗さんじゃない方もですね、ビジネスのやり方が根本的に変わっていく」と述べ、具体的な活用例を挙げた。画像分析や最適な画像作成、AIを中心としたマーケティングの最適化やプロモーションなどの機能を提供するという。

海外展開を視野に入れた機能も充実させる方針だ。三木谷氏は「日本の市場だけでいつまでも振っていけるかどうかわかりません」と述べ、翻訳機能、カスタマーサポート、流通、在庫管理、価格設定などにAIを活用する方針を示した。

さらに、「Rakuten AI for Business」という法人向けAIアシスタントの提供も発表された。これはChatGPTのようにさまざまな質問に答えて業務を効率化するアプリだ。

AIによって圧倒的に効率を上げていく

三木谷氏は自身の講演準備にもAIを活用していることを明かした。講演では、モバイルネットワークの重要性を人間の脳に例えて説明する部分があったが、実はこの例えもAIとの対話から得た情報に基づいていたという。

「私が今日お話しさせている、話のネタとかも、かなりAIから抽出しています」と三木谷氏は述べる。「人間の脳細胞って何個あるの?」「世界につながっているデバイスの数はいくら?」といった質問をAIに投げかけたことを明らかにした。これらの回答を基に、人間の脳細胞数(約1700億個)と世界のインターネット接続デバイス数(約750億個)を比較し、モバイルネットワークの重要性を説明したのだ。

三木谷氏は「AIが手元にあるということは、圧倒的に効率を上げていくことになる」とアピールした。

石井 徹:モバイル・ITライター

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