堀江貴文「日本は宇宙産業で世界トップになれる」 もとからある日本の優位性をもって世界と戦える
東洋経済オンライン / 2024年8月11日 17時30分
それは、衛星を地上から宇宙に輸送する「ローンチ・ヴィークル」である。人工衛星を開発しても、宇宙に打ち上げることができなければ技術の実証も利用もできない。
現在、宇宙ビジネスのインフラとも言える輸送事業は変化しつつある。小型ロケットや相乗り打ち上げや再使用ロケットの登場で、少しずつ安価な選択肢が増えてきた。今後、打ち上げ頻度が10倍、100倍になれば、さらにコストは変化していくだろう。まさしく民主化の一歩手前の段階にあると言える。
スペースXがスターリンク衛星約5000基によるコンステレーション(衛星群)の構築を実現させたことは、その証の1つと言える。
従来の通信衛星コンステレーションによるサービスは、高いうえに、通信の遅延や圏外エリアがあった。しかしスターリンク衛星は、全世界でアクセス可能な高速インターネットを提供し、国内でもユーザーが出始めている。
これは、宇宙が初めて「事業」として成功した例と言える。
日本が宇宙ビジネスで一歩抜きん出られる理由
戦後、技術立国で世界第2位の経済大国となった日本だが、その競争力が威力を発揮する分野が少なくなり始めて久しい。
近年の巨大トレンドである生成AIやWeb3の分野においても、アメリカや中国が莫大な投資をして力をつけているのを見ると、すっかり後れをとっていることは否めない。これから巻き返しをはかっても勝てる見込みは薄いだろうし、そもそも、日本が勝負すべきなのは、そこではないと私は考えている。
これから、日本がふたたび世界トップレベルに躍り出る希望のある分野は、宇宙なのだ。
宇宙開発分野なら、何かまったく新しいことにイチから挑戦するということではなく、もとからある日本の優位性をもって世界と戦えるのである。
そう言える理由は主に次の3点だ。
・伝統的な技術力がある
奈良の大仏は、奈良時代の752年4月に開眼供養が執り行われている。建造期間は9年だ。青銅で鋳造されたものに金メッキが施されているが、あれだけの大きさの大仏像が、あれほどの薄さで作られている例はほかに見当たらない。
製鉄技術についても、「たたら製鉄」は日本独自の製法である。鉄から鋼鉄を作り、特殊鋼を作り、工具を作り、部品を作り……つまり、鉄がなくては何も始まらない。その鉄を作る高炉は工業製品のサプライチェーンの基礎と言える。
この話が宇宙産業と何の関係があるのかと思ったかもしれないが、ロケットは、紛うかたなき「工業製品」だ。つまり、優れた製鉄技術がなければ、宇宙開発に不可欠なロケットも作れない。そこに、日本の伝統的な技術力の新たな活路があるというわけだ。
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