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「鰻の成瀬」が急成長、超スピード出店の衝撃度 山本社長「飲食に興味ない」発言の真意とは?

東洋経済オンライン / 2024年8月11日 8時0分

今もFCの募集はしていない。積極的に勧誘するスタンスではなく、求められたら情報を出していくようにしている。

最初のほうは、知人がオーナーとなって出店するケースが多かった。FC1号店は顧問弁護士がオーナーだ。そうした知人やビジネスパートナーのつながりの中で広がっていった部分は大きい。

うなぎチェーンの拡大余地は?

ただ、途中からは出店ペースを上げている。鰻の成瀬のオペレーションは簡易的なので、他社が真似しようと思えば簡単にできてしまう。

そこでスピード出店をして、空白地域を埋めていくことで他社が参入しにくいようにした。うなぎの市場規模は大きくはないので、ある程度の規模をとってしまえば、資金力のある大手でも参入は難しくなる。

――今後の出店戦略は?

現在は230店を超えたところで、300店くらいまでの出店は決まっている。国内は400店までは伸ばしていきたい。

立地などの決まった戦略はない。初出店から2年ほどしか経っていないので、どのような場所が最適かといったデータがない。出店する場所ごとに戦略を考えていくほうがうまくいくと思っている。

――では、立地によって戦略を変えた事例はありますか?

例えば直営で運営する六本木店がそうだ。大通りの裏手の半地下のような場所で、オープン時は月に200万円ほどの売り上げだった。家賃だけで月100万円ほどかかるので赤字の状態だ。

六本木には飲食店がたくさんあるので、日本人の集客が難しい。そこでターゲットを変えてインバウンドを重視した。

外国人向けの広告やインフルエンサーを活用して集客した結果、月1000万円まで売り上げが伸びた。立地にかかわらず、集客を上げられることを示すことができた。

――海外にも拡大し始めています。

現在海外は香港に1店舗出店している。テイクアウト専門店だが、売り上げは好調だ。今後は台湾でも拡大しようと考えている。うなぎの市場規模があるので、拡大できるだろう。

ヨーロッパやオーストラリアも考えている。長期的には日本と同じ300~400店舗まで出店していきたい。

――急速に拡大した業態として「いきなりステーキ」と比較されることもあります。

大半の飲食店は、大規模にチェーン化できる業態を開発することはできていない。いきなりステーキは500店舗近くまで店舗数を増やしたので、勉強になる事例だ。だが、まったく同じようにはなりたくないという思いもあるので、うまく参考にしていきたい。

「飲食に興味ない」発言の真相は?

――ある媒体の取材に「飲食への興味はない」と答えていたことが話題になっていましたね。

まずは、FCオーナーや協力業者がしっかりと収益を上げられるかを大事にしているということです。初期投資額も業界では低いほうで、FCオーナーが収益を上げられる仕組みを作れている。

今、鰻の成瀬で関係のある人や業者との信頼関係を構築できていることが重要だと思っている。鰻の成瀬だけでFCビジネスを終わらせるつもりはなく、今後も続けようと考えている。

信頼関係を構築できれば、次に始めるビジネスにも乗ってくれる人が必ず出てくる。それが大事なことだ。

金子 弘樹:東洋経済 記者

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