国内外のマッチングアプリ熟知した"プロの発見" リクルート、Tinder、エニトで働いて見えること
東洋経済オンライン / 2024年8月12日 13時0分
――アメリカではすでに普及していたマッチングサービスも使ったそうですね。
2つのサービスを併用しました。短期間に100人を超える男性から連絡をいただいたこともあり、出会いの幅が一気に広がったと感じたのを覚えています。いろいろな方とコミュニケーションをして、結果的に日系3世のアメリカ人である1歳年下の夫と出会うことができました。「日本語は話せますか?」と英語でメッセージを送ったところ、片言の日本語で返事をくれたので努力はしてくれる人なのだと判断。付き合う前には「私はいつか日本に帰るけれどどうする?」と聞き、日本に行くことを決めてもらいました。
アプリなら「つながりの限界値」を超えられる
――最初の条件で「相手は日本人であること」を挙げていましたが、微妙に違いますね。
その通りです。アプリでたくさんの方から連絡をもらったからこそ、実際に会う人を絞り込まなければならず、悲しいことも含めて短期間でいろいろ経験して勉強させてもらったと思います。結婚相手に求める条件は他にも挙げようと思えばいくらでもありますが、「一緒にいて居心地がいいことが一番大事」という当たり前のことにも気づけました。
夫との交際が始まったことを、婚活に協力してくれた方々にお礼がてら報告しました。すると、同僚の女性から「彼は同じブロックに住んでいる人だよ」と言われたのです。日本人であることを条件として伝えていたので紹介しなかったとのこと。そのとき、アプリは人間のバイアス(思い込みによる非合理な判断)を超えたのを感じました。すごいことですよね!
――そ、そうですね……。ご結婚後のことも聞かせてください。
夫と付き合い始めたのが2015年で、翌年に結婚しました。子どもが生まれてからもしばらくはアメリカにいましたが、2019年に「Tinder」に転職。日本と台湾のカントリーマネージャーとして日本に戻ってきました。2022年にwithのCEOになり、2023年3月から(Omiaiを統合する形で設立した)エニトグループのCEOを務めています。
――「Pairs」以外の主要なマッチングアプリをすべて内部から経験してきたキャリアですね。婚活アプリの強みは何だと思いますか。
私自身も夫との出会いで感じたことですが、やはり人間が実生活で持てるつながりの限界値を超えられることです。例えば、大学時代のつながりで1000人とお見合いするのは無理ですよね。アプリなら1万人でも可能です。
コミュニケーションの勉強に「出会いの量」は必要
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