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手作りスイーツが売り「新・ルノアール」の狙い 「意識高い系女性」をターゲットにした新業態

東洋経済オンライン / 2024年8月14日 10時0分

そのほか、食事としてはグラタンが看板メニュー。グラタンと言ってもピラフやパンの上に具材をのせ、オーブンで焼き上げたものなので、ボリュームも十分ある。

コーヒー1杯で長時間居座れる喫茶店

銀座ルノアールはなぜ、このような新業態を立ち上げたのだろうか。

まず銀座ルノアールの基本情報についてまとめておこう。1号店「ルノアール日本橋店」は1964年にオープン。運営会社の社名を銀座ルノアールとしたのは1971年だ。

コロナ禍前までは首都圏を中心に全業態で約120店舗を展開しており、うち約100店舗を占めるメイン業態は「喫茶室ルノアール」。「都会のオアシス」をコンセプトに、ゆったりした雰囲気の中でくつろぎの空間を提供する。

駅近にあり、コーヒーを1杯頼んで長時間居座れるタイプの喫茶店というとわかりやすいだろう。

カフェチェーンはスターバックスやドトールのような、セルフサービスの店が店舗数を伸ばしているが、喫茶室ルノアールは従業員が席まで商品を運ぶフルサービスの店。

同じ形態をとっているチェーンではコメダ珈琲店や珈琲館、星乃珈琲店などがある。1号店のオープン年、現在の店舗数はそれぞれ1968年/1004店舗、1970年/208店舗、2011年/279店舗だ。

喫茶室ルノアールが店舗数では少ないのに知名度が高いのは、都心、駅近の目立つ場所に店舗を構えていることや、歴史の長さに由来するのだろう。

ただ、都心のアクセスのよい立地、コーヒー1杯で長時間滞在できるフルサービスのお店という特徴が、コロナ禍では不利に働いた。都心から郊外へと人流が移り、またテイクアウトにもうまく対応できなかったため、20店舗近くが閉店になったのだ。

これらの打撃に対抗するために同社ではさまざまな模索を行った。例えば手作りパンの「BAKERY HINATA」出店、シャトレーゼとのフランチャイズ契約による出店などだ。

なお現時点ではコロナ禍の影響から回復を果たしてきており、出店を加速。都心型の喫茶室ルノアールの店舗数も増え、2023年度の売上高も73億5100万円(前年同期比12億6600万円増)となっている。

こうした経緯を踏まえたうえでの、新業態オープンとなった。アリーヌカフェには、どのような期待が込められているのだろうか。

銀座ルノアールで新しい業態を担当するCエリアスーパーバイザーの宮下祐一氏は「アリーヌカフェは喫茶室ルノアールに次ぐ、第2の柱として成長させたい」と説明する。

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