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南海「聖地の玄関口」高野山駅、知られざる裏側 バスが発着する駅前ロータリーの地下には…

東洋経済オンライン / 2024年8月14日 7時30分

南海電気鉄道の高野山駅。画面右に進むとバス乗り場がある(記者撮影)

2024年7月、真言密教の聖地である高野山が「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産に登録されてから20周年を迎えた。

【写真50枚を見る】高野山の主要観光地へ向かうバスが発着する駅前。その地下に広大な空間が広がっていることはあまり知られていない

高野山への参拝者・観光客の足を担う公共交通機関が南海電気鉄道の高野線の電車だ。大阪市中心部のターミナル難波から、特急「こうや」や一部の快速急行・急行が急勾配・急曲線の山岳区間を経て極楽橋駅まで直接乗り入れる。

ケーブルカーとバスの結節点

極楽橋駅の高野線ホームに到着した乗客は、改札を出ることなく川を渡る橋を兼ねた連絡通路でケーブルカーの乗り場へ向かう。南海電鉄では「鋼索線」と呼ぶケーブルカーの極楽橋駅は標高539m。約5分の乗車で同867mの高野山駅に到着する。両駅の標高差は東京タワーの高さほどある。

【写真】高野山の主要観光地へ向かうバスが発着する駅前。その地下に巨大空間が広がっていることは知られていない(50枚)

途中に改札がないため意識することはないが、難波―高野山間の運賃1430円のうち、難波―極楽橋間の電車分が930円。対して極楽橋―高野山間のケーブルカー分は500円を占める。最後のひと区間はそれだけの価値があるといえそうだ。

特急こうやを利用する場合は790円の料金が必要。極楽橋での乗り継ぎを含めて難波から高野山まで約1時間40分で行くことができる。

高野山の駅舎はレトロな雰囲気の建築。駅前は南海りんかんバスのターミナルとなっており、高野山のシンボルともいえる根本大塔などがある壇上伽藍や、弘法大師空海の入定の地とされる奥の院方面のバスが発着する。

山中に開けたこの駅前のロータリー、利用者は気づきようがないが、地下に意外なほど広い空間がある。これはケーブルカーの「巻上室」。2系統の原動機、減速機が置かれ、運転中は主索輪と従索輪、案内索輪という巨大な滑車が回転してロープを動かす。

ケーブルカーは2019年3月にデビューした4代目の車両。高野山開創1150年記念大法会を控えて1964年に登場した先代から実に54年ぶりに新造された。長さ1020mのロープでつながった2両編成の客車が上下する。最急勾配は高野山駅ホームの562.8パーミル(29.22度)。

壇上伽藍の根本大塔をイメージしたという朱色が目を引く車体は24.2度の傾斜がついている。最大乗車定員は211人(乗務員1人を含む)だが、乗客が多い場合などには臨時便を出して対応する。

レトロ建築の駅舎

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