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再配達はなくなるか「ヤマトの置き配」期待と課題 酷暑でトラブル発生、ドライバーも試行錯誤

東洋経済オンライン / 2024年8月15日 8時0分

宅急便の置き配が利用可能になり、客の選択肢は広がっている(写真:ヤマト運輸)

今年の夏も連日の酷暑が続いている。街中を駆ける配達ドライバーにとっては厳しい季節だ。彼らの負担を軽減するためにも、利用者側はぜひとも再配達を避ける工夫をしたいところだ。

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ヤマト運輸では6月から宅急便の「置き配」が利用できるようになった。これまでもEC事業者向けサービス「EAZY」(ECで購入する小型荷物が中心)で置き配に対応してきた。そのほか、自宅の外でもヤマト営業所やコンビニ、宅配便ロッカー「PUDOステーション」など、さまざまな受取場所を拡大してきた。

置き配は利用者、ドライバーとも手間がかからず、着実に受け取れる方法の一つだが、なぜ今年からヤマトはサービス開始に至ったのか。

置き配の認知は広がった

ヤマトの置き配で指定できるのは、マンションの受け付けや宅配ボックス、玄関ドア前、ガスメーターボックス、物置、車庫、自転車のかごなど。5600万人が登録する会員向けサービス「クロネコメンバーズ」で受取場所を指定する仕組みとなっている。

今年になって置き配を開始した背景には、外出が増えて対面で受け取れないケースが増えてきたことがある。アマゾンなどの他社サービスも含めて置き配に対する認知度、理解度が高まっていることもある。

コンビニや外部ロッカーの利用も増えているが、駅の反対側にあったり、大通りを渡らなければならないなど、誰もが利用しやすい場所にあるわけではない。在宅でも、育児などで手が離せない場合もある。

6月の開始以降、置き配は順調に広がっている。ヤマト運輸のサービス商品部個人輸送課長の山﨑遥氏は「件数などは公表していないが、利用は増えている」と話す。実際、セールスドライバーからも置き配は増えているとの声は多い。「仕事で夜までに帰れないからと、置き配を指定する方が多い」(ドライバー)。

ヤマトが置き配を導入したいちばんの狙いは「多くの受け取り方法の中から選択できるようにするため」(山﨑氏)。客に置き配で受け取ってほしいわけでもなく、一度で届けることを重視しているわけではないという。

とはいえ、ドライバーの負担軽減につながるかは気になるところ。荷物を受け取れなかった客の中には、再配達に罪悪感を持つ人もいる。ドライバー側も「もう少し早く来たら、届けられたかもしれない」となるケースも少なくない。今のところは置き配に対して好意的な声が多く、着実に届けやすくなった点はメリットと言えるだろう。

導入後に浮き彫りとなった改善点

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