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米ディズニー、テーマパーク「超大型投資」の野心 クルーズ船やゲーム事業も一貫して展開

東洋経済オンライン / 2024年8月17日 9時0分

テーマパークの拡張と併せて発表されたのが、クルーズ船事業の強化だ。

現在5隻ある保有船を2031年までに13隻に拡大する。オリエンタルランドが先日発表したクルーズ船もこの中に含まれる。2025年には初めてアジアを拠点とするクルーズ船が、シンガポールを母港に就航する見込みだ。

クルーズ船を現在87隻保有する最大手のカーニバルコーポレーションなどと比べると、ディズニーは後発だ。その中でディズニーは質で勝負する。クルーズ船の開発は、テーマパークの開発を一手に引き受けるディズニーの社内部門、イマジニアリングが担当。1隻ごとにコンセプトやデザイン、船内で展開されるショーなどを作り込む。

「デスティニー号」「トレジャー号」など、船名は単なる名前ではなく、それらのテーマに沿った物語を体験できるようにするという。クルーズ船の責任者であるトーマス・マズルーム氏は、「クルーズ船は独立した事業ではない。テーマパークから学び、連携した事業となる」と話す。

ゲーム部門も開発を加速する。アメリカのゲーム大手、エピックゲームズとディズニーキャラクターを活用したゲーム開発の構想を明らかにした。

会場では、ディズニーアニメーション、ピクサー、マーベル、スターウォーズの各制作のトップが顔をそろえ、ゲームにおける新しいストーリー展開の可能性について語った。

戦略はバラバラにも見えるが…

ディズニーは今年2月、エピックゲームズに15億ドルを出資すると発表している。それは、取締役の選任について、物言う株主との激しい攻防戦の最中だった。4月の株主総会では会社側の提案が支持され決着したが、協業について早期の成果を求められていた。

テーマパーク、クルーズ船、ゲーム。バラバラにも見えるが、これらはディズニーが保有するIP(知的財産)の具体化という点で一貫性がある。

ゲーム部門を担当するショーン・ショプトウ氏は「テーマパークに行けない人も、ゲームでデジタル空間に招き入れることができる。そこでつながりを築き、われわれの物語に触れて、実際にテーマパークや映画に行くようになることを期待している。このエコシステムこそが重要だ」と語る。

ただし、レジャー事業には感染症や災害などのイベントリスクが付き物で、市場が順調に拡大するとは限らない。その中で、現経営陣がいかに長期のビジョンを実行できるか。改めて手腕が試される。

並木 厚憲:東洋経済 記者

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