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「自分の時間がない」ミドル層が孤独を感じる瞬間 "努力"と"報酬"の不均衡が心をへし折る

東洋経済オンライン / 2024年8月18日 17時0分

どれも、ものすごく特別なことというわけではないのですが、こういった報酬がない、もしくは、あったとしてもそれを受けとめるだけの心の余裕がすでになくなっていると、負のスパイラルがはじまっています。

職場でフォローする立場にある人が疲弊する典型的なパターンには、次の2つの共通点があります。

①「報酬」というエネルギーチャージがない
②「怒り」の感情で消耗している

「なんで私ばっかり⁉」と自分だけ損している気持ちになるときというのは、努力と報酬のバランスが悪いといえるわけです。

あたりまえのことですが、自分が差し出しているものよりも、もらえるものが少なければストレスを感じるのです。

これを心理学用語で「努力―報酬不均衡モデル」といったりします。

報酬には、金銭的なものだけでなく、「自分のやったことには価値があるという実感」や「自分がなにかに影響を与えているという実感」といった心理的な報酬もふくまれることがポイントです。

しかし、報酬を限定的にしかとらえられない人もいます。そうなると、報酬の量が自然と少なくなって、疲弊してしまうことが増えます。

たとえば、「自分にとっての報酬とは給料やボーナス、昇進だけだ」と考えてしまうと、どんなに相手から感謝されたり、ためになる経験をしたりしても、給料や昇進が思い通りにいかないと「こんなにやっているのに」と考えてしまうでしょう。

逆に、報酬をさまざまなかたちで受けとれると、たとえ自分が差し出す努力が大きくてもバランスをとりやすくなって疲弊しにくいのです。

「自分のやったことには価値があるという実感」や「自分がなにかに影響を与えているという実感」をわかりやすくいうと、自分で自分を「認める」「ほめる」「ねぎらう」といったことになります。

自分を無視されると「怒り」の感情がわく

もう1つのポイントの「怒り」の感情の本質は、自分の存在や働き、能力などを認めてくれないことへの不満です。 

自分がどんなに時間や労力を使っても、相手がそれにあぐらをかいて感謝の言葉すらない、評価の対象にもならない、上司が自分の仕事をまったく把握していない。

そういったことが常態化している職場では、自分という存在が無視されているわけなので、当然、傷つきます。それが積み重なって「怒り」の感情になるのです。

「怒り」は、最も自分を消耗させる感情です。仕事への意欲が低下したり、ネガティブ思考になったりと、いいことはなにもありません。

だからこそ、①自分に「報酬」を与えて、②「怒り」の感情に支配されないために、自分で自分を「認める」「ほめる」「ねぎらう」といったことが大切なのです。

佐藤 恵美:メンタルサポート&コンサル沖縄代表

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