1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「資産4000万円でも"ボロ家屋"暮らし」驚きの実態 「質素すぎる老後の暮らし」は本当にいいこと?

東洋経済オンライン / 2024年8月20日 8時30分

正直に言えば、「整理するほどの資産があるのだろうか……」というのが私の気持ちでした。

まずは資産状況を把握しようと、Gさんに預金通帳や保険証書など、金融資産についての書類を見せてもらうことにしました。

「4000万円の金融資産」と「十分な年金」

驚いたことに、Gさんご夫婦は4000万円もの金融資産をおもちでした。

「自分たちには大した財産などないから、贅沢はしない。先のことを考えると、お金を残しておかないと不安」というのです。

Gさんには年金収入もあり、これだけの資産があるなら、もっともっと快適な生活ができるはずです。

しかも年金収入でふだんの生活費を賄えているため、老後資金が目減りするどころか、長生きすればするほど資産が増える状態でした。

資産をご自分たちのために有効に使おうと望めば、家のリフォーム(バリアフリー含む)も、安全性の高い車も、生活のサポートサービスも手に入れられるのに……。

さらにご本人たちが望むなら、快適なサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)への入居も可能です。

私はGさんの希望通り、遺言の準備、……など、さまざまなサポートをさせていただきました。

なかには「1億円近い資産」をもつ人も

じつは、終活のサポート業務をしていると、Gさんのような例にたくさん遭遇します。

なかには、Gさんのように質素な暮らしをしながら、1億円近いお金をもっている人もいらっしゃるのですから驚いてしまいます。

多くの高齢者は、お手持ちの資産や、収入と支出とのバランスなどについて見える化できていません。

そのため、私から見ると根拠のない不安に駆られているケースが多いように思います。

・これからの生活に必要なお金がよくわからない
・生活を快適にする術がよくわからない
・誰に相談していいかわからない

という人も多いようです。

お子さんが近くにいらっしゃれば、子どもからのアドバイスなどもあるでしょう。

しかし、子どものいない人、子どもと疎遠になっている人、子どもが遠方住まいの人は、資産と生活のバランスがうまくとれなくなってしまうケースが多いように思います。

ただ、どうしても高齢になると、行動力や情報収集能力が落ちていくもの。

「元気なうちに」準備しておくことがカギになる

「お金をうまく、有効に使う」ためには、若いうちから事前の準備が重要です。

簡単にいえば、

・元気なうちに情報収集に努める
・自分の資産状況を見極め、老後の資金計画を立てて使えるお金を把握しておく

ことがとても大切です。

誰かに相談したい場合は、地元の士業(税理士、司法書士、行政書士)やファイナンシャル・プランナーなど、信頼できて、気軽に相談できる相手をつくっておくことをおすすめします。

せっかく一生懸命働いてためたお金なのですから、ご自身のために、ご自身のQOL(生活の質)を上げるために使っていただきたいと、心から感じます。

松尾 拓也:行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください