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中国BYD、ウーバーと「EV10万台導入」の戦略提携 価格優遇などで契約ドライバーの買い換え支援

東洋経済オンライン / 2024年8月26日 11時0分

BYDはウーバーの世界的なサービス網を活用し、海外市場でのさらなるブランド浸透と販売機会拡大を目指す(写真はBYDのウェブサイトより)

中国のEV(電気自動車)最大手の比亜迪(BYD)とアメリカのライドシェア最大手のウーバー・テクノロジーズは7月31日、ウーバーの配車プラットフォームにBYD製のEVを10万台導入する計画を発表した。

【写真】BYDはヨーロッパ自動車リース大手のエイバンスとも戦略提携した

両社は複数年にわたる戦略提携に合意し、ウーバーの契約ドライバーに対してBYD製EVの優待価格での販売、充電費用やメンテナンス費用の割引、よりよい条件の自動車ローンや自動車保険の案内などの支援策を提供。契約ドライバーのエンジン車からEVへの買い換えを後押しする。

まず欧州と中南米から

ウーバーは、アメリカ以外でも世界各地でライドシェアやネット出前などのサービスを幅広く手がけている。一方、BYDは数年前から急速な海外展開を進めており、新興国を中心に多くの国のEV市場で上位に食い込んでいる。

市場調査会社の集邦諮詢(トレンドフォース)のデータによれば、BYDは2024年1~3月期のEVのグローバル市場で16.6%のシェアを獲得し、アメリカのテスラに次ぐ第2位につけた。また、PHV(プラグインハイブリッド車)のグローバル市場シェアは27.7%と首位を独走中だ。

BYDとウーバーは、今回の戦略提携に基づく支援策をまずヨーロッパと中南米の契約ドライバーに提供する。その後、対象地域を中東やオーストラリア、ニュージーランドなどに順次広げる計画だ。

ウーバーの契約ドライバーにとっては、BYD製EVに買い替えることで車両のランニングコストの引き下げが期待できる。ウーバーの説明によれば、(ランニングコストを重視する)契約ドライバーがエンジン車からEVに乗り換えるペースは、一般の自家用車オーナーの5倍だという。

EVの充電費用はガソリン代に比べて大幅に安い。また、ウーバーの契約ドライバーは走行距離が長いため、EVへの買い換えによるCO2(二酸化炭素)排出量の削減効果も一般の自家用車よりはるかに大きい。

欧州リース大手とも協業

だが、EVの車両価格はエンジン車よりも高く、契約ドライバーにとっては初期投資の負担が大きい。さらに自動車ローン契約のハードルの高さなどが、EVへの買い換えの障壁になっていた。BYDとウーバーの戦略提携の狙いは、それらの心配を取り除くことにほかならない。

BYDはウーバー以外の企業とも、今回と似た仕組みの協業を進めている。例えば2024年7月には、ヨーロッパの自動車リース大手エイバンスとの戦略提携に調印した。

両社は協業開始から1年以内に、ヨーロッパの30社を超える法人顧客にBYD製EVをリースする計画だ。エイバンスはリース車両のEVへの切り替えを積極的に進めており、全体で約340万台のリース車両のうちEVがすでに52万3000台を占めている。

(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は8月1日

財新 Biz&Tech

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