祇園祭の「ごみゼロ大作戦」に参加して感じたこと 祭りでの「ごみエチケット」は守られているか
東洋経済オンライン / 2024年8月27日 12時0分
このWGでは、祇園祭でのごみ削減を目指し、リデュース、リサイクルに重点をおいた仕組みづくりを検討。その中核にいたのが、のちに「NPO法人地域環境デザイン研究所ecotone」(以下、エコトーン)となる環境保護団体だ。
エコトーンはリユース食器の使用でイベントごみの減量をはかる取り組みを事業化した。2011年から2013年の祇園祭でリユース食器を使う「エコ屋台」を出店し実績を重ねていった。
その後、露天商組合とつながりができて協力が得られるようになり、祇園祭でのごみ削減を目指し、リユース食器の利用が進められていった。
このような経緯を経て、2014年からはエコトーンが核となり、他のNPO法人、行政(京都市の各部署、警察)、地域団体(山鉾連合会)、企業(事業ごみ収集業者、露天商組合、スポンサー企業等)、大学といった多数の主体が連携したプロジェクトとなる「祇園祭ごみゼロ大作戦」が始まった。
屋台の協力を得て使い捨て容器をリユース食器に置き換え、それらとともにごみを回収する拠点である「エコステーション」を23の山鉾が設置された山鉾町界隈に設置し、ごみ減量を実現する取り組みが特徴となっている。
2014年に始まって本年で11回目を迎える取り組みで、例年、2日間で延べ2400名を超えるボランティアを動員して行われている。
その活動としては、①リユース食器の露店への貸し出し、②食器回収等のオペレーション、③エコステーションでのリユース食器の回収とごみの分別回収の呼びかけ、④散乱ごみの清掃活動、がある。
筆者は今年、京都市の清掃職員の方々とともに、③の業務に携わらせていただいた。
システマティックな運営体制
「祇園祭ごみゼロ大作戦」のボランティアは、決められた時間に現場に行ってただ単に労力を提供するという形でなく、事前に研修を受けて取り組みへの理解を深めた上で当日参加する形となっている。団体で申し込んだ場合はオンラインでの説明動画を視聴して本番に臨む。
また、一般ボランティア(青色のシャツを着用)の指示を含む現場の運営や不測の事態への対応のためにリーダー(赤色のシャツを着用)が150名程度配置されており、こちらは5回にわたる事前研修を受ける。
延べ人数2400人のボランティアの力を結集できるように、それぞれのシフトや役割が決められ、システマティックな運営体制が構築されている。「大作戦」と言うだけの壮大な環境保全プロジェクトとなっている。
分別の声掛けとごみ・資源物の回収
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