「東京一極集中」に貢献している道府県ランキング 20代の若者が地元を離れて東京へ移動する事情
東洋経済オンライン / 2024年8月27日 8時0分
去る8月1~2日に福井県で全国知事会が開催された。東京への一極集中が少子化対策において有害であるとする46道府県と、少子化と一極集中は明確な関係性が見られないために提言書から関係する一文を削除すべきとする東京都とで意見が分かれた。
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まず、筆者は人口動態の専門家として、1対46の対立構造として報道されることは非常に望ましくない状況と考えている。
そもそも「人口のエリア・ポートフォリオ戦略」は、(国が定めた)各自治体からの意見をしっかり聴取したうえで、国が考えるべき課題であり、一極集中については、47都道府県が考え方で一致しないことがあってもよく、事実をしっかり受け止め共有化されればよいのであって、考え方の違いを際立たせ対立的に報道しても意味がない。
20代はなぜ地元を去ってしまったのか
多様性の時代において、20代の若者が増加人口の86%(残り14%は10代)を占める東京一極「20代人口集中」が悪である、というならば、まずは地元を離れゆく20代の若者たちの考えについて各自治体での綿密な調査結果が必要である。各首長はこれを実施したのだろうか。
それもなしに、単なるヒトの動きとして悪であると論じることは若者の考えへのネグレクトでもある。実際に東京都に集中している人口、すなわち各首長の管轄下にて高校時代を過ごしつつも、地元を去ってしまった(そして戻ってこない)10代、20代人口の「お気持ち調査結果」の分析とその結果の政治への反映もなく、若者の移動を自治体の損得計算で語ることは、あまりに情緒的と言わざるをえない。
人口問題は科学的なエビデンスに基づいた政策が必須である。こうすればよくなるだろう、といった非科学的な対策で改善は望めない。
そこで、そもそも東京都に集まってくる人口はどこから来ているのか、社会増(転入数-転出数の転入超過数)人口の移動前住所を分析した結果が以下のランキングである。東京都の社会増人口の移動前の住所地を割合で確認してみたい。
東京都にどこから人々はやってくるのか
東京都を除く46道府県のうち、東京都の社会増に2%以上貢献しているのは20エリアにすぎない。
2023年に東京都に対して社会減となったエリアは43道府県(神奈川県、埼玉県、千葉県以外)で、合計7万7070人の東京都への転出超過であるが、中でも大阪府と愛知県の貢献度は極めて高く、この2エリアだけで20%を占める。
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