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「外遊び」が子どもの目にも心身にもよい理由 今すぐにでも取り組める近視抑制方法がある

東洋経済オンライン / 2024年8月30日 13時0分

窪田:たくましいですね! 子どもたちはどんな場所でも、危険を事前に把握しておきさえすれば、予測不能な部分を含めて楽しみます。同じことは人間関係にも言えそうですね。

高濱:そうですね。タブレットやスマホではできない「生身の経験」ですよね。外遊びというと、公園に行ったり遠くに出かけたりするイメージがありますが、自分が住んでいる街を歩いてみるだけでも十分意味があるのです。

窪田先生は、ご自身も途中からアメリカの小学校に通い、お子さんもアメリカで育てられたとのことですが、向こうの小学校の様子はどうでしたか?

窪田:驚きの連続でしたね。まず、アメリカには自宅の室内で子どもを長時間遊ばせておく文化があまりないように感じます。周りの子たちも幼少期はひたすら外で遊んでいました。今でも学校でのタブレット配布は小学校高学年からが多いそうです。低学年のうちは身体を自由に動かすことを重視していると聞いています。

高濱:小学校入学と同時にタブレットが配布される日本とは対照的ですね。

窪田:日本ではコロナ以前から親子で家にこもりがちな傾向があるように思います。その点に関して高濱先生はどうお考えでしょうか。

高濱:人間は昔から子育てを群れで行っていました。「みんなでみんなの子どもを育てる」という文化があったわけですね。それが戦後からどんどん各自が自分の家に引きこもるようになっていき、母親が一人きりで子育てをして行き詰まってしまうケースが出てきました。

ここまでお話ししてきたように、子どもは外に出てたくさんの大人に触れたほうがいいですが、子育て中の親も一緒に外に出て交流したほうがいい。子育ての孤独感が解消される一歩になると思います。

窪田:なるほど。ちなみに、目の健康という観点からも、子育て中の大人も、子どもと同じく屋外に出て自然光を浴びたほうがいいですよ。

屋外に出ることで大人の目の健康も守れる

窪田:外遊びによる近視抑制効果は、ある程度の年齢までなら大人にもあります。近視は6〜12歳の間で発症する子が出始め、成長期の終わる14〜18歳あたりで進行が止まることが多いと考えられていましたが、最近では30代、40代でも近視が進行し続ける人が増えています。

オーストラリアで行われた研究では、屋外活動は大人の近視抑制にも効果があると報告がありました。ですので、ぜひ親子そろって屋外に出て太陽光を浴びることで目の健康を維持していただきたいですね。

高濱:その場合、私のようなメガネをかけた人でも屋外に出れば太陽光の恩恵を受けられますか? 太陽光は窓ガラスを通すと波長が変わってしまい、近視抑制効果が失われるというお話しでしたが……。

窪田:メガネの横から直接太陽光が入ってきますので、メガネをかけたままで大丈夫ですよ。

高濱:メガネの大人にも朗報です。

(構成:石原聖子)

窪田 良:医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

高濱 正伸:花まる学習会代表

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