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吉野家「ダチョウ肉丼」の裏で見逃される重要展開 同時に「スキンケア商品」も発売…訴求力はある?

東洋経済オンライン / 2024年8月30日 22時5分

吉野家ホールディングスは「オーストリッチ」事業を開始すると発表した。聞き慣れない言葉だが、その内容は、なかなか驚きだった

吉野家といえば「うまい・やすい・はやい」を思い浮かべるひとが多いだろう。それがなんと「うまい・やすい・はやい・健康・美容」に昇華させようとしているとは。

【写真5枚】意外と無難な感じ?な、「ダチョウ肉丼」のビジュアル

吉野家ホールディングスは聞き慣れない「オーストリッチ」事業を開始すると発表した。これはダチョウのこと。数年前から世間がダチョウの免疫力の高さに注目し、抗体を生産する技術については聞いたことがあった。しかし、その波が吉野家にまで押し寄せていたとは。

発表内容は大きく分けて2つあった

今回の発表内容は、大きく2つにわかれていた。

1つ目はオーストリッチ丼(ダチョウ丼)の発表だ。6万食限定でかつ店舗限定で売り出す。スープつきの1530円(税込1683円)で、ローストビーフ風のものだ。

吉野家にとっては、牛・豚・鶏に次ぐ4番目の肉となる。ダチョウは栄養素にあふれている。既存の肉にたいして、タンパク質・鉄分・ビタミンが多いいっぽうで、カロリー・脂質は低い。

【写真5枚】意外と無難?なビジュアルの「オーストリッチ(ダチョウ)丼」はこんな感じ

吉野家は子会社のSPEEDIAをもち(余談だが私は一瞬、某有名情報プラットフォームと読み間違え、吉野家がいつのまに買収していたのだ、と驚いた)、茨城県石岡市にある牧場ではダチョウ500羽を飼育している。

なお、この牛・豚・鶏・ダチョウの畜種分散については、以下の3つの観点で評価できるだろう。

(1)肉の種類を増やすことで、リスク軽減ができる
(2)輸入価格上昇に伴う、買い負けへの対策となる
(3)健康志向の意識が高い消費者にアピールできる

(1)リスク軽減から評価できるだろう。吉野家は、そもそも肉に頼らない代替肉の研究も進めているし、商品の分散を図るのは当然ともいえる。

また(2)現在はやや落ち着いたが円安で輸入価格が上昇している。国際的に肉類の買い負けが続くことも予想される。分散とともに国内で調達できる材料に変更することは、サプライチェーンの安定に寄与するだろう。また政治環境にも左右されにくくなる。

さらに(3)健康志向の意識が高い消費者にアピールするだろう。消費者ニーズの多様化に応えられる。実際に、オーストリッチ丼はその珍しさもあって、多くのメディアがとりあげた。

スキンケア商品の発表

そして、発表内容の2つ目は、オーストリッチ(ダチョウ)の成分を使ったスキンケア商品の発表だった。“美容成分の浸透効果を高める「グラマラスブースターオイル」”(税抜50ml/定価1万4000円)をはじめとして「グラマラスエイジングクリーム」(税抜40g/定価1万5000円)「モイスチャーマスク」(税抜1枚/500円)などがある。

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